『 …ここか 』
…言葉が出ないくらい何もないな。ベッドと机ぐらい
『 まあいっか、 』
ぎゅっ
「 おわった? 」
『 わっ、…びっくりしたぁ… 』
「 全然変わってないね 」
『 そうですよ、っていうか急に後ろから抱き着くのやめてください! 』
「 別にいいじゃん 」
『 よくないです!! 』
全然背後にいること気付かなかった、心臓止まるからやめてほしいんだけど
「 ほんと可愛いんだもん 」
『 後から殺される人に言われても嬉しくないですね 』
「 殺さないよ。将来嫁になる人だからね 」
『 なりません、お世辞は良いですから 』
「 ほんとに好きなんだよ? 」
『 好きなら家に帰してください 』
「 無理。だって逃げるじゃん 」
『 こんな怖いとこいたくありませんもん 』
「 俺のそばにいれば安全だよ、普通の彼氏よりも 」
『 そうでしょうけど…もしかしたら私のこと探してる人もいるかもしれないんですよ? 』
「 ここは見つからないから平気 」
『 そういう問題じゃないです 』
「 俺のこと好きになるまで出させないから 」
『 はぁ…。 』
話して分かった。付き合ったらめんどくさいタイプの彼氏だ
♡×10
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。