─みんな放送見てくれた?私、焦ってたくさん空回りしちゃった💦どうしてもっと上手い返しが出来なかったんだろうって1人反省会⤵悔しい!でも、すごく楽しい収録だったよ!!見てくれた人、ありがとう🙇♀️❕
※ここでお名前を出すのは失礼だと思うから、みんな察して!─
驚異の視聴率を叩き出した例の放送後、私は下書きに留めておいたものを投稿した。
私がNEWSのファンということは、テレビでは言ったことがないもののSNSでは結構頻繁に言っていたから批判はそう多くはなかった。エゴサはしないようにしていた。
先程の投稿の返信は様々だった。
『テレビの前で大笑いしました!空回りしてるあなたちゃん新鮮で面白かったよー👍』
『大好きな人と話してる時のあなたちゃんはただのヲタクって感じで可愛かった💞』
『あなたちゃんも私たちと同じヲタクなんだって思ったら親近感沸いてきた!推します!』
『アイドルとオタクの関係でいてくれるって信じてたから、接触したのは残念かな』
どれも大正解だ。私はただのヲタクで、彼はアイドル、それは共演してからもずっと同じでいたいと思う。増田さんのファンの方を嫌な気持ちにさせるのは避けたい。
コメント全てにいいねをして、私はスマホを閉じた。
同じタイミングで着信が鳴る。
マネージャーからだ。
あなた「もしもし、あなたです」
マネ「あなた、ドラマの仕事の依頼が来たんだけど…やる?」
あなた「…出来ればどんなお仕事でもやりたいのですが、一応内容を聞きます」
マネ「原作は漫画で、今回実写ドラマ化するらしいんだけど…『恋の攻略本』って作品。あんた、主演だよ」
あなた「主演!?そんなの、受けるに決まってますよ!」
マネ「そっかそっか、まあそう言ってくれると思ったよ。じゃあ上に連絡入れておくね。あっ、言い忘れてた。共演者の中に増田さん居るから」
あなた「却下でお願いします!!!!!!」
私は大声でそう叫んだ。マネージャーは大きなため息を付いた。
またなんでこのタイミングで?前回の番組が良かったから?きっとそうなんだろうな…。
マネ「本当に蹴るの?」
あなた「蹴ります。私は増田さんと親しくなっちゃダメなんです」
マネ「今回の件、その増田さんがあんたと共演したいって言ったみたいだけど」
あなた「…はぁ?」
間抜けな声を出した。増田さんが?私と?
マネ「あと、あなたと食事がしたいとも言ってた」
あなた「はい!?」
立て続けに嫌なことを聞かされる。
何故?増田さんが私に近づく理由って何?
マネ「あのね、共演を断るのはいいけど、先輩から食事誘われてるのに断るのはさすがに失礼だと思うよ。それだけでも行ってみたら?」
あなた「…はい、行き、ます」
細かく詳細を聞かされて、なんと食事は1週間後に決定した。連絡先交換をしてやり取りをしないところに増田さんのプロ意識を感じる。
不安が募る反面、楽しみなのも嘘じゃなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。