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第1話

屋上で出会った君は
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2021/08/13 03:42


「まったく…屋上にいる生徒を職員室に連れてこいって…無茶苦茶ね……」
赤本奈桜(あかもとなお) 高校2年生 A組の学級委員長、そして副生徒会長をしています

ガチャン
(あ、鍵空いてる)
「いた」
屋上にいたのは明るい茶髪の女の子
横になって寝ている
「……誰?」
私は眉をひそめてゆっくりと向かった

「起きてください。ここは昼寝をするところじゃありません」
「ん、んぅ……」
茶髪の女の子はゆっくり瞼を上げた
「んー…誰?」
「誰、はこっちのセリフです。屋上にいる生徒を職員室まで連れてくるよう頼まれたんです。早く行きましょう」
「もー!余計なお節介!そーゆーの、ありがた迷惑っていうんだよ。知ってる?」
茶髪の女の子はビシッと指をさして言った
「今あなたの意見はどうでもいいんです。私はあなたみたいにのんびりしてる暇はないんです」
「やだ。名前教えるから今日は許して?ね?」
「意味がわかりません。」

「えっとね、私の名前は“陽野満瑠(ひのみちる)”適当に呼んでね」
日野満瑠と名乗る女の子
「呼びません」
「ねー君は?名前教えてくれなかったら“真面目ちゃん”って呼ぶよー」
「それでいいです」
「私が良くないの。てゆーか、真面目は真面目って言われるの嫌いって思ってた」
私はため息をついて言った
「赤本 奈桜です。はい、行きましょう」
「赤本奈桜?どっっかで聞いたことあるよーな…ないよーな……?」
あぐらをかきながら頭を捻る

「どうでもいいです。私、学級委員長なのでまだ先生からもらった仕事があるんです。だから早く行きたいんですよ。陽野さんに付き合ってる場合じゃな…」
「へー 何組の学級委員長?」
「……A組です」
「あれ?私と一緒じゃん」
予想外の答えが帰ってきた
「えっ?でも“陽野”なんて苗字聞いたことない…」
私は「んー」と唸った
「私3年。君は?」
さ、3年…?先輩なの?
「2年、です……」
「うっそー!同い年だと思ってた!どーりで聞いたことないわけだ!」
先輩は目を丸くさせて言った
「先輩だったんだ…次からは発言に気をつけます」
「もー!そんな硬いこと言わないでいいのにぃ。私とはタメ口でいいよー?」
と言い、先輩は私の肩を軽く叩いた
「よろしくねー!えっと、なおちゃん?」
「…よろしくお願いします。先輩」

「んー…じゃあもうひと眠りするとしますか。」
「ちょ、ちょっと!先生になんていえばいいんですか!」
私は先輩を揺らしながら聞く
「適当に言っといてー」
「えぇ…!」
先輩は鬼の速さで眠ってしまった

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