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第15話

保健室、ふたりきり②
沙耶ちゃんがいなくなり、保健室の椅子に座っていた河内くんは、私の姿を見てすぐに立ち上がった。
河内 恭介
河内 恭介
はー、バレそうでハラハラした。学校では、仲良くない設定だもんな、俺たち
河内 恭介
河内 恭介
もう少し休んでなくて、大丈夫か?
葉山 日菜
葉山 日菜
うん、ちょっとおでこがヒリヒリするくらいで、全然平気
葉山 日菜
葉山 日菜
河内くんが運んで──
河内 恭介
河内 恭介
おでこ? 少し赤いな
ここまで運んでくれたことへのお礼を言おうとしたけど、
不安な表情が近づいて、額をさわられたから、何も言えなかった。
葉山 日菜
葉山 日菜
ほ、本当に大丈夫! ありがとう!
早口でまくし立て、距離をとる。

河内くんがすることは、いつも心臓に悪い。
葉山 日菜
葉山 日菜
そっ、そっ、それよりも、見てほしかったの。ノート、少し進んだから
河内 恭介
河内 恭介
えっ、ほんとに
動揺していることを悟られないために言ったことで、思いのほか嬉しそうな表情が返ってきた。
河内 恭介
河内 恭介
どうなったのかって、気になってたんだよな。駅でふたりで話すのも難しくなったし
葉山 日菜
葉山 日菜
(私が思っていた以上に、楽しみにしてくれていたのかな)
葉山 日菜
葉山 日菜
(嬉しい……)
河内 恭介
河内 恭介
今、見てもいい?
葉山 日菜
葉山 日菜
うん。あ、でも、誰か入ってきたら……
河内 恭介
河内 恭介
カーテン閉めれば大丈夫
葉山 日菜
葉山 日菜
カーテン……
と、いうことは。
私が眠っていたベッドにふたりで座って、周りをカーテンで囲む。
小さな密室を作られ、状況が状況なだけに、とても落ち着かない。
河内くん自身は、そんなことを気にもしていないようで、ただノートにだけ視線を落としている。
河内 恭介
河内 恭介
やっぱり、葉山はすごいな
葉山 日菜
葉山 日菜
変じゃないかな?
河内 恭介
河内 恭介
全然! き直したところもあるんだな。こっちの方が、さらによくなったと思う
葉山 日菜
葉山 日菜
よかった……
葉山 日菜
葉山 日菜
(自分が描いたものだから、見られるのはまだ抵抗があるけど。やっと見てもらえた)
河内 恭介
河内 恭介
あー、でも、少し恥ずかしいかも
葉山 日菜
葉山 日菜
河内 恭介
河内 恭介
ほら、これ。俺がしたやつ?
葉山 日菜
葉山 日菜
!!
河内くんが照れ気味に開いて見せるのは、男の子が主人公の女の子の頭を撫でているシーン。
葉山 日菜
葉山 日菜
(そうだ、河内くんに見せるっていうのは、そういうこと……!)
このシーンは、河内くんが言う通り、彼にされたこと。

そして、その時感じた、自分の気持ちをそのまま描き写したものだった。
葉山 日菜
葉山 日菜
あ、あ、あのっ、その主人公、私じゃないからっ!
河内 恭介
河内 恭介
あ、う、うん、分かってる
力いっぱい否定をしてしまって、さらに恥ずかしくなる。
河内 恭介
河内 恭介
でもさ、本当にすごいよくなってるよ。このページとか、あとこことかも。
前よりも、主人公のモノローグが分かりやすいっていうか
河内 恭介
河内 恭介
この主人公って、可愛いよな
葉山 日菜
葉山 日菜
っ!
可愛いと言われたのは、漫画の主人公。

私じゃない。
葉山 日菜
葉山 日菜
(だから、動揺するな、私!)
バクバクと騒がしい心臓が、河内くんにまで聞こえていそうで、怖い。
その時、また保健室の扉が開いた。
葉山 日菜
葉山 日菜
(先生?)
藤間 修
藤間 修
いるか? 日菜
葉山 日菜
葉山 日菜
(藤間くん!?)