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私が上弦の伍を倒した頃だった。
鴉の声が聞こえた。
信じられなかった。
だって、無一郎は誰よりも才能があるんだ。
無一郎が、死ぬ?
違う。死なない。約束したもん。
一緒に、月行こうって。
無一郎は約束を破ったことないし、
強いから上弦の壱なんかに負けるはず·····
目から、水が落ちてきた。
何だろう、この水は。
あぁ、涙だ。
私、泣いてるんだ。
なんで泣いてるんだろう。
人間なんてただの食料にすぎないのに。
鬼。
そう、鬼は死なないのだ。
老いることも、死ぬこともない。
人間に死んでほしくない、なんて思ったのは、初めてだった。
それが、最初で最後だ。
仲間はいっぱいいたけど、
やっぱり無一郎だけなんだよ。
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人間と鬼はもともと同じ人間だったはずなのに。
ねくすと
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。