⚠️ オメガバースパロ 会話文少ないです 独自設定有
💚の愛重めで好みが別れます
色々注意 それでも大丈夫そうな方のみどうそ。
💚side
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物心ついた時にはこの男が欲しいと思った。この男を自分の手で甘やかして、ドロドロに溶かして、俺なしでは生きていけないようにしたかった。
今思えば大人びていた子供だったと思う。あっちゃんにだけ優しくするのもあっちゃんが他の子と喋ると嫌な気持ちになるのも俺があっちゃんのことが好きだからだ、と幼いながら理解していた。
両親からゆうたはαだろって言われてたし、あっちゃんから甘いバニラのような匂いがするからあっちゃんはΩなんだろうな、って。俺たちがゆくゆく番になるのを疑ってすらいなかった。
けど、あっちゃんには運命の番がすぐ近くにいた。なんだっけ、2組の背の低い男。ただお互いまだ子供だったし、なんかあの子いいな〜ぐらいで運命の番という自覚はなかったと思う。俺はそれを利用した。
蝉の声がやけにうるさい夏の日だった。汗をしっとりと垂らしながら寝ているあっちゃんが美味しそうで、俺は白くて細い首にそっと噛み付いた。
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そこからは早かった。あっちゃんが謎の理由でヒートを起こしてしまい、そのフェロモンに当てられた俺がそのまま噛んでしまったという事になった。年齢的にも予想なんてできない出来事だったし、しょうがない事として片付けられた。
俺たちの親はお互い申し訳なさそうに謝ってた。
あっちゃんだけは何が起きてるのが分からなくて、いつもより少し赤い顔で俺に何が起きてるのか聞いてきた。俺はずっと一緒にいられるようになったんだよ、と返した。そしたらはにかみながら嬉しい、と笑うから俺の中の何かが満たされた気がして、そっと柔らかな髪を撫でた。
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本来ならあっちゃんと番になってたであろう男は自分の運命が取られたことにαの性が問題を起こしたのか、体調不良がずっと治らずそのまま遠くの田舎へと引っ越していった。
申し訳ない、と思ってもいない謝罪を心の中でしておいた。
そこからの番生活はなかなかに良好だった思う。半ば無理やり俺が番にしたようなものだけどそれを知っているのは俺しかいないし、あっちゃんの2回目ヒートも高校生になるまで来なかった。まぁ一回目は噛まれたことによる本能的なヒートだったし
もちろん大人になった今はヒートに合わせてあっちゃんと一緒に休みを貰っている。当の本人はヒート中に何も出来ないのが申し訳ないのか、抑制剤を飲んで働くことも提案してきたがそれは却下しておいた。
長々となったがなぜ俺がこんな過去の話を思い出しているのかと言うと、この1件のDMが原因だ。
もちろん返信なんかしない。正直そうですか、という感想しか出てこないが仕方の無いことだろう。
運命の番、と言っても俺の中の運命はあつきだけだし、もう番にもなっている。俺と番になるなんて天と地がひっくり返ってもないので早く別のαを見つけてください、とそっとアプリを閉じる。
もう事務所にいるであろうオレンジの彼を脳裏に映しながら家を出る準備を進めていく。
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300万人記念で視聴者さんと1体1の対話の企画を撮ろうと言ったのはやまとだったよなぁ、とここにはいない企画者に対しての怒りを心の中でぶつける。
興奮したように甘ったるいフェロモンを撒き散らしながら恍惚の表情を浮かべて騒いでいる女性を冷たい目で眺める。
俺に見向きもされないことが理解できないのか、さっきまで「番になりましょうね!」とか「ゆうたくんが運命なんて!」と喜んでいたのに今はなんでなんでと下を向いてブツブツと何かを言っている。
そろそろ異変を感じたぼんあたりが来るだろうな、と思いながら扉を眺める。
予想通り時間を超えても出てこない俺を心配したのかぼんが扉を開いて部屋へと入ってくる。後ろからひょこっと顔を出した自分の番に冷めていた心が暖かくなるのを感じる
俺を誘惑するために勝手にフェロモンを出していただけなのにどうやらヒートが来てしまったのかと心配した様子のあっちゃん。
とりあえず薬とってくるわ、と部屋を出ていったぼんを横目にあっちゃんの横へといき肩を組む。ふわっと香るバニラの匂いが心地よい。
するとさっきまでブツブツと何かを言っていた女性がキッと俺の横を睨む。
腹立たしい、憎らしいと言った気持ちを抑えようともせず睨んでくる相手に腕の中の男が申し訳なさそうな顔になる。
さすがに自分の番を攻撃されて黙ってる程俺は優しくない。あつきには感じないようにα特有のフェロモンを出す
運命の相手からの圧に流石に耐えられなくなったのか駆け足で扉へと走っていった背中を眺める。
不安そうにこちらを見るあつきのうなじをそっと指先でなぞるとピクっと小さく体が震えた。
あつきは俺と番になったことをずっと事故だと思っている。お互い第2の性を知らなくて、起きてしまった事故。
本当は俺が起こした事故なのに。それを知らずにずっと自分のせいだ、って後悔してるあつき。
あぁ、かわいい、かわいい、俺だけの番。
あつき以外の番とかいらないし、と返すとそっか、と嬉しそうに笑うあつき。
ルンルンとスキップでもしそうなくらい上機嫌で部屋を出ていくあつきを可愛いなぁと眺めているとすれ違いでやまとが入ってきた。
ぼんに一連の流れを聞いたのだろう。ニヤニヤと笑いながらやまとが俺に話しかけてくる。
はいこれ、ゆうたの編集素材、と渡される素材におー、と目を通していく。
俺らの前でのイチャイチャは程々にな、と部屋を出ていくやまとに手をヒラヒラと振りながらこの後のことを考える。
編集を終わらせて、あつきと家帰って、あつきとゲームして、一緒にお風呂はいって、その後は。
想像すると顔が緩くなっていく。ふっ、と静かな部屋に俺の笑い声が響く。
今日はドロドロに甘やかそうと思いながら、そっとパソコンに手をかけた。
_______________3人のうち3人が否定しましたend.
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会話文が少なくて申し訳ない...!
読みづらくなってしまい反省してます😵💫
このタイトルの【3人のうち3人が否定しました】
というのはゆうたくんの愛は『純愛』ですか、という質問に対して💚🧡以外のメンバーの3人が純愛では無いだろ、と否定したというサブ設定からです❁.
長くなりましたがお読み頂きありがとうございました🥲✨
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。