第2話

いつも通りの生活(1)
97
2019/11/16 02:54
奏太
…そうなんだ。で?燐那は何がしたいの?
燐那
お前まじ物分り悪いな。だから、今言ったのを今度の朝練かなんかでみんなに言わない?ってことよ。
奏太
あ、そういう事ね。いや、僕は否定はしないよ?ただし、喋るのは燐那ね。僕コミュ障だから。
燐那
分かってるよそんなの。だから、喋んなくていいから横にしれっといてくれればいいの!味方多い方が威圧感あるっしょ?
奏太
分かったよ。でも燐那1人でも十分威圧感あるんだけど。目つき悪いし、楽器できるし、言葉きついし、リーダーシップあるし…
燐那
目つき悪いと言葉きついは悪口だよね?なんで平気な顔してそんなこと言っちゃうかなあお前は。
奏太
あはは、ごめんごめん。でも事実じゃん?
燐那
はいはいそうですね。ってもう時間やばくない?もうすぐチャイムなるから教室戻ろ。
奏太
あ、ほんとだ。ばいばーい。
キーンコーンカーンコーン。
あ、チャイム鳴っちゃった。これ予鈴だよね?ねえ、そうだよね?なんてことを考えつつ、僕は教室に戻る。教室はがやがやしていた。良かった。予鈴だ。
さっき話してたのは中川燐那なかがわりんな。僕と同じく吹奏楽部1年にしてサックスパートのパートリーダーを務めている。…ってあれ?僕の自己紹介をまだしてない?そっか。じゃあ1回僕の自己紹介するね。
僕は榎本奏太。中学1年生で、吹奏楽部打楽器パートのパートリーダーをしている。僕はピアノとかを習っていた訳では無いが、親が趣味でドラムをやっていて、その影響で僕も打楽器だけ・ ・ ・ ・ ・はできるのだ。楽譜もドラムとかのは読めるけど、音符がまともに読めないから鍵盤楽器系は大嫌い。でも、1回ドラムをやったら先生がむちゃくちゃ褒めてくれて、何故か流れでパートリーダーになってしまった。
そんな僕に対して燐那は、幼い頃からピアノを習っていて(もう辞めてしまったが)、全てにおいて天才的な音楽センスを持っている。確か小学2年の時に既にエリーゼのためにを弾けていたし、歌もうまいし、仮入部の楽器体験の時なんかには、全部の楽器の音が綺麗になっていた。楽器によっては、そのパートの1年生より上手いと思ってしまうくらいに。
まあ、それだけできることは先生もわかっていたらしく、楽器が決まった瞬間にパートリーダーになった。サックスパートの先輩も、いつ抜かされるかわからない、とそわそわしているレベルだ。そういえば最近燐那フラジオ(サックスの最高音、出すのが難しい音)当たったらしい。今5月の下旬だから、当たるとか最強なんだよな。とにかくそんな訳で、燐那は天才だけど、天才すぎて・ ・ ・ ・ ・気味悪がられていたり、距離を置かれている。僕もそんなに友達はいないがそれは僕の人間性─マイペースなところ─のせいなのでしょうがない。でも、燐那はただ人より楽器ができるだけで距離を置かれてしまうのだ。同学年にも、先輩にさえも。まあそれだけ天才児ってことなんだけどね。
で、さっきの話。をしたい所だったんだけど、本鈴がなっちゃった。また授業終わりにでもするね。次は国語だって。眠っちゃうよ。
それじゃ、ばいばい。また後でね。

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