第12話

第九話
124
2021/10/27 11:53
武道side


ドラケンくんと一緒に来た女の人、あの人が直人が言ってた重要人物の灰谷あなたさん。
あの人が味方になってくれればドラケンくんと六本木のカリスマ兄弟の灰谷兄弟も味方になってくれる可能性が高い。

直人が言ってた通り、ドラケンくんと灰谷兄弟の3人は一様にあなたさんを大切にしてる。

12年後の未来ではあなたさんは稀咲の策略によって命を落としてしまう。
そのせいでドラケンくんと灰谷兄弟は闇に堕ち、それ以外にも自○した者や同じく闇に堕ちた者も居る。

あの人ただ一人が命を落とすだけで皆の人生が狂ってしまう。

ヒナを死なせないためにも、彼らの未来を幸せなモノにするためにも俺は必ずあの人を味方に着けなきゃいけない。
花垣
花垣
よし!
気合いを入れるためにパチン、と自分の頬を叩けば隣に居る千冬が驚いたように見てきた。

ごめん千冬、なんでもないからそんな〝何だコイツ〟みたいな目で見ないで…

千冬から向けられる視線にショックを受けつつ、ヒナとエマさんと一緒に喋ってるあなたさんに近付いていく。
すると、そんな俺の行く手を阻むかのように2本の腕が俺の肩に回された。
蘭
はーい、そこまで
花垣
花垣
え…?
竜胆
竜胆
お前、誰に近付こうとしてんだ?
回された腕の正体はあの灰谷兄弟だった。

確か、三つ編みの方が兄の蘭で、丸眼鏡の方が弟の竜胆だったハズ…
そんなことよりも、俺に向けられる2人の視線がすげぇ怖い!

兄の方は口元は笑ってるのに目は全然笑ってないし、弟は少しも笑うことなく睨み付けてくる!
花垣
花垣
え、あの、
蘭
お前、最近東卍に入ったばっかのタケミッチだろー?確か
花垣
花垣
は、はい…
蘭
お前、明らかにあなたに近付こうとしてたよなぁ?何が目的なのかさっさと言えー?
竜胆
竜胆
……
こ、怖い…

だけど、あなたさんを味方に着けるためにも此処で逃げちゃダメだ!

俺は恐怖で震える身体をなんとか叱咤し、意を決して灰谷兄弟に向き直った。
花垣
花垣
実は、あなたさんにお願いしたいことがありまして
竜胆
竜胆
あなたにお願いだぁ?お前、今日会ったばかりのあなたに何をお願いするつもりだ
花垣
花垣
此処では話せません。だから、集会が終わった後、皆が居なくなってからお話します。あなたさんとドラケンくんも一緒に
蘭
ドラケンも?
竜胆
竜胆
此処で話せねぇってなると、随分と訳ありみてぇだな。いいぜ、なら後でその話に付き合ってやるよ

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