第19話

十六話
102
2021/11/05 13:31
竜胆side※キャラ崩壊注意※


珍しいあなたの煮え切らない返事。

マイキーは何かを知ってるみてぇだけど、直接見た方が良いってことは何かがあるのか?

マイキーと一緒にエレベーターから降りて自宅である部屋の扉に近づく。
扉が開いた瞬間、何かが飛び出してきて、それは先頭に居たあなたの足にしがみついた。
何が飛び出して来たのかと驚いて下を見れば、見覚えのある髪型と顳顬こめかみの龍のタトゥーを持つガキが一人。

……は?

俺の思考が止まった瞬間だった。
龍宮寺 (チビ化)
龍宮寺 (チビ化)
あなた、おそい
あなた
あなた
ごめんね、堅ちゃん
マイキー
マイキー
うわ、まじでケンチン小せぇーじゃん
龍宮寺 (チビ化)
龍宮寺 (チビ化)
だれこいつ…

…堅ちゃん?ケンチン?あぁ、あなたとマイキーのドラケンの呼び方だったな…

ん?違う…堅ちゃん…ケンチン…堅、ドラケン……ドラケン!!?
いやいや、ちょっと待て待て!!
俺が知ってるドラケンはこんなにもチビじゃねぇぞ!?

一体どういうことだ!?

目の前のあなたとドラケン(仮)、マイキーのやり取りを困惑しながら見つめる俺に気付いたあなたが足にしがみつくドラケン(仮)を抱き上げて苦笑を零した。
あなた
あなた
困惑させてごめんね、竜ちゃん。実はこの子、堅ちゃんなんだ。何故か朝起きたら小さくなってて…
竜胆
竜胆
マジか…
あなた
あなた
取り敢えず、中に入ろう
あなたに抱き上げられたドラケン(仮)はさっきのマイキーに言った言葉からするに、大きい時の記憶はないみたいだ。
ただ、恨めしそうに俺やマイキーを見てくるドラケン(仮)はまだ2人が幼稚園の時、初めて会った時と同じだった。

ドラケン(仮)はあなたに一目惚れしたみたいで、初めて会った俺たちが兄だと知らず、あんなふうに見てきたらしい。
まぁ、あの時は俺と兄ちゃんもドラケン(仮)に対して、〝なんだコイツ〟と思ったが、仕方ないよな?
つーかコイツ、さっきからずっとあなたの肩の服の裾を握り締めて離さねぇな、おい。

リビングに着き、俺とマイキーはそれぞれ一人掛けのソファーに、あなたとドラケン(仮)は大きいソファベッドに腰掛けた。
龍宮寺 (チビ化)
龍宮寺 (チビ化)
……
竜胆
竜胆
あなた、今のドラケン(仮)の状況は?
あなた
あなた
今の堅ちゃんには幼稚園の頃までの記憶しかみたい。私のことは知ってるけど、蘭ちゃんと竜ちゃん、マイキーくんのことを知らないのがその証拠だと思う
マイキー
マイキー
でも、なんであなたちゃんのことは分かったの?
あなた
あなた
最初は誰?って聞かれたから名前教えてね。だから、私のことは知ってるの

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