「 はぁ ァ ‥ 」
疲れた . 委員会 めっちゃ 長引いたな … .
あいつ に 言いたいこと が あったけど ま ァ , 明日 でも
大丈夫か .
「 … あ 」
「 あッ , … 」
こいつ , 昼間 の 女 だ .
「 そ , その さっき 御前のこと , 急に 殴ったりして
悪かったな … .」
「 ん , いや 俺 は 全然 大丈夫 だけど
御前 , 何があったんだ ? 」
「 そ , その … 」
少し戸惑いの様子を見せた . 言いにくいことでも あったのだろうか .
「 私 , 兄貴 が いるんだ . 兄貴 , 何でも 出来て すごい 尊敬 してたんだ . だけど , なんでも 出来るからこそ , 何をやる に しても 適当 だったんだ . だから , それが
生活 する上で めっちゃ 癖 ついちゃったみたいでさ .
そしたら … , 兄貴 私達 に 対する 態度 も 全部
適当 に なっちゃってさ . 馬鹿な話 だよね .
兄貴 昔 は すげ ェ 良いヤツ だったんだけど …
今 は もう , 相手 にも ならなくてさ . 」
彼女 は 震えた 声 だった .
「 もう , 私 みたいな 思い , 他の 人 に してもらいたくなくて … だ , だから ッ その . 私も 自分勝手 だったのは 謝る . けど も, もう あんな真似 … すんなよ ‥?」
俺 は , 此奴のこと なんか 何も知らない .
でも , 何故か 俺 でも こいつ のこと が 救えるよう な 気がした .
なんとなく , 俺等 は 似ていた .
俺が 彼女 のこと を 眺めていると 何故か 大汗 を かいていた.
「 もしかして , ずっと 俺のこと 待ってたの ?」
「 べ ッ , 別に 待ってたわけ じゃ … ッ !!
お, 御前 に … 謝りたかった だけだし ‥ . 」
俺 は 思わず クスリ と 笑う .
「 なッ , 何か 可笑しかった かよ !!」
「 フフッ , いや 別に ‐ .」
俺は , すこし からかいつつも , 正直 此奴 は ちょっと
羨ましかった .
大切 な 存在 が 相手 に してくれなくても ここまで 明るく
振る舞っている 彼女 が 俺 には 眩しかった .
姉 を 救えなかった 俺なんかより .
「 そいや , まだ 私 ,御前 の 名前 聞いてないんだけど .
サイジョウ カナエ
私 は 西城 香苗 .」
「 俺 は , 羽角凛人 . 宜しくな .」
「 よッ , 宜しく … .」
香苗 は 少し 照れくさそうに 笑った .
俺 は せめて 香苗 でも 救えたら ,
今 の 笑顔 が 救えたらな . と ふと 思った .
next ↴
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!