第5話

似た者同士
16
2021/08/14 13:45
 「 はぁ ァ ‥  」

 疲れた .  委員会 めっちゃ 長引いたな … .

 あいつ に 言いたいこと が あったけど ま ァ , 明日 でも
 大丈夫か .

 「 …  あ 」

 「 あッ , … 」

 こいつ , 昼間 の 女 だ .

 「 そ , その さっき 御前のこと , 急に 殴ったりして 

    悪かったな … .」

 「 ん , いや 俺 は 全然 大丈夫 だけど   
    
    御前 ,  何があったんだ ?  」

 「 そ , その …   」

 少し戸惑いの様子を見せた . 言いにくいことでも あったのだろうか .

 「 私 , 兄貴 が いるんだ . 兄貴 , 何でも 出来て すごい 尊敬 してたんだ .  だけど ,  なんでも 出来るからこそ , 何をやる に しても 適当 だったんだ . だから ,  それが  
 生活 する上で めっちゃ 癖 ついちゃったみたいでさ . 
 

   そしたら … , 兄貴  私達 に 対する 態度 も  全部
 適当 に なっちゃってさ . 馬鹿な話 だよね .  
 兄貴 昔 は すげ ェ 良いヤツ だったんだけど …   
 今 は もう , 相手 にも ならなくてさ . 」

 
 彼女 は 震えた 声 だった .


 「 もう , 私 みたいな 思い ,  他の 人 に してもらいたくなくて  …   だ , だから ッ  その . 私も 自分勝手 だったのは  謝る .  けど  も, もう あんな真似 … すんなよ ‥?」



 俺 は , 此奴のこと なんか 何も知らない .

 でも , 何故か 俺 でも こいつ のこと が 救えるよう な 気がした . 





 なんとなく , 俺等 は 似ていた .

 俺が 彼女 のこと を 眺めていると 何故か 大汗 を かいていた.


 「 もしかして , ずっと 俺のこと 待ってたの ?」


 「 べ ッ , 別に 待ってたわけ じゃ  …  ッ !!  
   お, 御前 に …  謝りたかった だけだし ‥ .  」


 俺 は 思わず クスリ と 笑う .

 「 なッ , 何か 可笑しかった かよ !!」

 「 フフッ , いや 別に ‐ .」

 

 



 俺は , すこし からかいつつも , 正直 此奴 は ちょっと 
羨ましかった .

 大切 な 存在 が 相手 に してくれなくても ここまで 明るく
振る舞っている 彼女 が 俺 には 眩しかった .

 姉 を 救えなかった 俺なんかより .

 「 そいや , まだ 私 ,御前 の 名前 聞いてないんだけど .
      サイジョウ カナエ
   私 は 西城 香苗 .」

 「 俺 は , 羽角凛人 . 宜しくな .」

 「 よッ , 宜しく … .」

 香苗 は 少し 照れくさそうに 笑った .


















 俺 は せめて 香苗 でも 救えたら ,

 今 の 笑顔 が 救えたらな . と ふと 思った .




























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