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2021/01/02

第4話

「他の部屋空いてないんすか?」

管理人)「それが満室で...」

「まじかよ」





人間は極限まで焦ると何も考えられなくなるらしい


何か良い策はないかと考えるが全く出てこない


とりあえず一晩野宿するかと考えたが、この気温では流石に風邪をひく



自問自答を繰り返していると何か思いついたような素振りを見せる管理人の口から

またしてもとんでもない言葉が飛び出した





管理人)「ここの部屋二部屋あったよね?」

涼原)「あ、はい」

管理人)「両方使ってる?」

涼原)「いや、片方しか...」

管理人)「シェアハウスなんてどう?」

「は!?」





驚いてつい夜遅いと言うのに声を荒らげてしまった



誰だっていきなりシェアハウスを提案されたら同じ反応をするだろう





管理人)「他の部屋が空くまで!」





どうかお願いします。と言うように手を合わせて頭を下げられる



知り合い同士ならまだしも俺らは会って数十分


それに俺は男だ


勿論彼女に対して何の気もないが、流石に男とシェアハウスなんてダメだろ




「俺、どっか泊まるんで大丈夫っす」

管理人)「でもこの時間じゃどこも空いてないんじゃないかな」





都会を舐めていたようだ


かと言って地元に帰るわけにもいかないし、明後日には大学の入学式もある



...本格的にやばいんじゃね?





涼原)「私は大丈夫ですけど」

管理人)「大丈夫って?」

涼原)「シェアハウス?」

「は!?」





彼女の発言にまた声を荒らげてしまった


初対面の...それも歳上であろう女性にこういうことを言うのは失礼だろうが


絶対にこの人馬鹿だ



管理人はと言うと早々に"ありがとう!"と手を振って帰ってしまった



頭の整理が追いつかず、呆然と立ち尽くしていると"あの..."と女性に声をかけられた





涼原)「風邪引いちゃいますよ?」





そう言って家の中へ招き入れてくれる



白と黒を基調に使われたリビングはとても綺麗で少し違和感があった


綺麗すぎるというか、生活感があまりない感じ


唯一使われた形跡のあるキッチン以外はモデルルームと言われても信じてしまう程だ





涼原)「勝手に話進めちゃってごめんなさい」

「いや...助かります」

涼原)「自由に使ってもらって大丈夫ですからね」





"ありがとうございます"とは言ったがあまりに綺麗で落ち着かない






涼原)「この荷物って汐恩くんのですか?」





そう言って開いた物置には大きなダンボールたちが押し込まれていた


伝票には"鶴房汐恩"の文字





「そうです、場所取っちゃって申し訳ないっす」

涼原)「それは全然大丈夫ですよ」





"届いた時に気づけばよかったですね"と言って眉を顰める


全て管理人が悪いと言うのに申し訳なさそうにしていた





涼原)「あ、勝手に汐恩くんって呼んじゃってましたけど大丈夫でしたか?」

「好きに呼んで貰って大丈夫っす...僕の方が年下ですし敬語やめてください」

涼原)「そうで...だね。私も敬語じゃなくて大丈夫だよ」





"そう言えば自己紹介してなかったね"と言って微笑んだ





涼原)「涼原あなたです。21歳で会社員をしてます」

「鶴房汐恩です。大学1年生の18歳です」

涼原)「全然あなたって呼び捨てでも大丈夫だよ」

「それは流石に...僕年下ですし」

涼原)「さっき随分な勢いで"誰?"って言われたけどね」

「あれはパニクっとって」

涼原)「嘘嘘、ジョークだよ」




今度は悪戯な笑みを浮かべる





涼原)「好きなように呼んでよ」

「じゃあ、あなたさんで」

涼原)「うん...とりあえず部屋案内するね」





そう言うと俺が使う部屋、トイレ、洗面所と家の中を案内してくれた


一人で住むには広いくらいの部屋



兵庫から新幹線で来たことを言うと"だから訛ってたのか!"と言われる


自分では気をつけていたが無意識に出ていたらしい



一通り周り終えると気を使ってかお風呂を勧めてくれた