第3話

来店のベル
270
2019/11/08 08:59
汐町  優響
汐町 優響
あ、そういえば・・・
私がモカを飲んでぼーっとしている時だった。

優響ゆうきさんが唐突に口を開いた。
あなた
あなた
どうしました?
汐町  優響
汐町 優響
最近ね、あなたちゃんと同じ百合園ゆりぞの高校の子がウチに来てくれるんですよ
嬉しそうに言う優響ゆうきさん。

この喫茶店は会社に行く前のサラリーマンやOLの方、それから会社帰りの方と社会人が殆どの為、珍しいなとは思う。
それに何処の女子高生もそうかも知れないが、百合園ゆりぞの高校の女子は特にパフェやパンケーキ、タピオカ、クレープのような可愛くて甘い物が大好きなのだからより珍しい。
あなた
あなた
どんな人なんですか?
汐町  優響
汐町 優響
え?
あなたちゃんも同じ時間に居た事、何回かありましたよ
あなた
あなた
え、そうなんですか...
この喫茶店に来ると疲れを癒すため、ぼーっとしているのが殆どの為、全く気が付かなかった。
汐町  優響
汐町 優響
私も何回か話したけれど、同じ2年生っぽかったです
あなた
あなた
へぇ・・・
他人に然程さほど興味が湧かず、適当に返答する。
「馴れ合うのは御免かな...」と頬杖をついた。
汐町  優響
汐町 優響
あなたちゃん、その手の甲...
優響ゆうきさんが私の手を見つめる。
其処には大きなガーゼが貼ってある。
あなた
あなた
あぁコレ・・・
料理中に火傷やけどしただけなので
汐町  優響
汐町 優響
そうですか...
料理には細心の注意を払って下さいね
あなた
あなた
はい。
ご心配おかけしました
私が会釈えしゃく程度に頭を下げると、
「いいんですよ」と笑顔で優響ゆうきさんは言ってくれた。




其の時、丁度 来店ベルが鳴り響いた。

プリ小説オーディオドラマ