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第1話

いらっしゃいませ
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2019/11/03 11:05
カランカランと、来店のベルが鳴る。
その心地良い音色と同時に、見慣れた人が笑顔で迎えてくれる。
"何にしますか?"
カップを拭きながら訊ねる女性に、私は
"今日のオススメを"
と笑顔で答えた。
"かしこまりました。"
女性は後ろにならんだ珈琲豆の瓶を眺め、1つを手に取るとドリップを始めた。
トポトポと軽い音がする。
珈琲を淹れる音を聞きながら、暖かな陽射しが差し込む窓を見る。
この空間だけが、私の癒しだ。
ここだけが、私の居ていい場所なんだ。

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