第32話

さんじゅうに。
111
2018/05/10 14:05
合宿の日の夜。
思い出していた。全部。
始まりは小学六年生。
私はとっても好きだった人がいた。
龍空だった。
私は誰にも言っていなかったのに、いつの間にか広がっていき、
男子
お前!龍空のこと好きだろ!
青莉
え!?そんな事ないよ!
男子
ぜってぇーそーだ!
男子
良かったな!龍空!
龍空
...
相変わらず君は無口。
でも、私の反応が面白いのか、どんどんエスカレートしていく
席替えでわざと龍空と隣にしたり
私のものを龍空の席に置いたり、
逆に龍空のものを私の席に置いたり。
言ってもないことを龍空にいっていじったり。
もっとあるけど。
正直私はボロボロになった。
私は嫌われたくない。みんなと仲良くいたい。
その一心で、ずっと笑っていた。
だけど心の奥底では泣いていた。
みんなの前で笑顔を作るのが精一杯になった。
そして龍空にもまあまあ避けられた。
それがびっくりするほどショックだった。

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