あなた side ~
あのとき 、 男の子が ボール を
取ろうとしてたの 。
だけどね ? 赤信号で トラックが
こっちに走ってきてた 。
危ないって 、 思ったの 、
だから わたし 、 男の子を
助けに行った 、
男の子は 私のおかげで
逃げれたけど …
なんかわたし、
こっちに 向かってくる トラック見たら 、
足がすくんで 立てなくなっちゃったよ 笑
そこからの 記憶は ない 。
かすかに きこえる
涼介の声 。
そういって わたしは
目を閉じた 。
ぴーぽーぴーぽー
(( あなた さん きこえますか ? ))
(( あなた さん !! ))
.
私が 見たのは 、 真っ白の部屋 ?
どこまで行っても 白い 。
ドアも 、 出口も ない 。
そこに 黒い点が ひとつ ぽつっと
私の目の前に 。
すると その 黒い点 が
だんだん大きく なっていく 。
まるで 、 私を 闇で 包み込むかのように 。
どこまで 走っても ついてくる 。
つかれた 。
でも 闇に包まれたら 、
しぬ 。
せっかく 涼介 に 会えたのに …
そんなのいやだ 。
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こんなに 苦しそうな あなた は はじめてだ 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。