突然激しい腹痛と頭痛がした
壱馬は別に私のこと好きじゃなかったという現実を理解する前に私はそこで意識を手放した
目がさめると見慣れない天井と真っ白いシーツ
隣を見ると弟の慎がいた
慎「大丈夫?」
あなた「うん…」
夢なのか現実なのか。
私は病院に運ばれたらしかった。
私があの初夏の日の夜。
寄り道せず帰っていたらどうなっていたんだろうか
私が壱馬にあの時殺されていたら…?
解放されそうになって壱馬に駅まで送ってもらった時、あの「行かないで」を断っていたら?
これが私が犯した罪への罰、ですか?
そんなことをぼんやり考えていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。