ドン!!
ギリギリ避けられたものの、半間が急に攻撃を仕掛けてくる
余程聞かれたくなかったらしい
今までの話が本当だとすれば、疑問はもうひとつ残る
じゃあタケミっちは?
タイムリープ能力を誰から譲り受けたのか
私より前に能力を譲り受けていたことは間違いない
例の線路を遡りながら走る
タケミっちは気づいているのだろうか?
私のタイムリーパーとしての能力が遅咲きなのかもしれないし、通常なのかも分からない
少なくともそれが分からない今、私が動く以外の選択は無い
自分と同じ特服を着た奴らを蹴散らす麗木あなたの背中をその場で眺める半間
止めることはしなかった
同情してる訳でもなく、肩を持つ訳でもない
ただ心底どうでもいいのだ
かつて運命を共にした麗木千世の妹
追撃を仕掛けない理由はそれだけで十分だった
そう一言零し、あなたとは逆方向の乱闘が入り交じる空間に歩を進めた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!