私は今日も完璧な優等生を演じている。
職員室前の壁に貼り出されている3年生の中間試験結果には、「1位 月島旦陽」と書かれていた。
私と試験結果を遠巻きに見ている人たちの声が聞こえてくる。
心の中でガッツポーズをとっていると、聡ちゃんが私の頬をツンツンとつついてきた。
飽きれ気味のさとちゃんと一緒に教室へ戻ろうとした時、職員室から出てきた担任の先生と鉢合わせた。
成績優秀で、同級生や後輩、先生にも好かれている絵に描いたような優等生。
はっきり言って、気を張り続けていて大変なことこの上ない。
けど、これも全部、椿先生に見合う女になるため!
学校から帰った私はまずお風呂で汗を流し、可愛いワンピースに着替えて身だしなみを整える。次に部屋の掃除をして、紅茶を入れる頃には……。
ピーンポーン
インターホンが鳴り、私はフローリングを滑ってしまいそうなほどの急いで受話器を取る。
ガチャッ
玄関まで走り扉を勢いよく開けた私は、そのままバランスを崩して外に倒れそうになってしまう。
しかし、そんな私を椿先生が抱き止めてくれた。
。○。○。。○。○。。○。○。
そのまま椿先生の腕は私の背中へと回され、きつく抱きしめられる。
そう言って先生は、私の額にキスを落とした。
。○。○。。○。○。。○。○。
気持ちが昂り、先生の胸に顔をうずめながらそう叫ぶと……
頭を鷲掴みにされ、ミシミシと握りつぶされそうになっていた。
こうしていつも通り椿先生に乗せられて勉強をする私。
椿先生を前にすると少し妄想が爆発しちゃうけど、彼女になるために勉強もオシャレも奮闘中!!
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。