第2話

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2022/02/19 10:00
夢宮 芽亜
………ケーキあるけど、いる?
驫木 めりな
いいえ、お構いなく
だって、私たち家族ですもの
家族と言ってる割には家族として接してるように思えないめりなを横目に、芽亜はモンブランとミルクしか入っていない紅茶を机の上に置いた。
自分用だ。
夢宮 芽亜
……じゃあ、改めて
僕は夢宮 芽亜。普通に芽亜って呼んでくれてかまわないよ
外面を取り繕って、対応する。そっちがその気ならそうしてやろう精神だ。
そういう芽亜に気づいているのか否か、めりなは微笑をずっと浮かべている。
驫木 めりな
私のことも、めりなと気軽に呼んでください
まだ、夢宮の姪をもらえないので
そんなめりなの言葉に芽亜は疑問を持つ。
その疑問を持っててもしょうがないからと、芽亜は彼女自身に聞くことにした。
夢宮 芽亜
姪をもらえない……って、どういうこと?
それに僕、あの人から何も聞いてないからあまりどうして僕が君を養うのかよく理由がわからない
教えてもらってもいいかな?
驫木 めりな
最初の質問の答えは、そのままの意味です
急に名字が変わったら変な目で見られてしまいますし、不便でしょう?だからあと1年間、中学卒業まではずっと驫木の姪のまんまで過ごすんです
なるほど。芽亜は納得する。それもそうだろう。中学生と言えどまだまだ子供。それがいじめられる原因になったりするかもしれないし。
驫木 めりな
それと、私と芽亜さんは実の兄弟です
お父さんが一緒なんですよね。腹違いの兄弟ってやつです
驫木は私のお母さんの姪なんです
驫木 めりな
そして、お父さんの勝手な都合で私の世話を押し付けられたんですよ。芽亜さんは
夢宮 芽亜
………お母さんは?
失礼かもしれないと内心ビクビクしながら聞くと、まるでただ友達…いや、家族と今日の出来事を話しているかのように
驫木 めりな
亡くなりました。自殺で
というものだから、思わず聞き逃しそうになった。
少し、目が見開いたのが分かる。動揺を悟られないように、と無駄なことを考えながら口に紅茶を運ぶ。
夢宮 芽亜
ごめんね
驫木 めりな
いいえ、大丈夫です
そういう彼女はまだ微笑を浮かべていた。

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