そう言い放つと、うぐぐと唸られた。信じられない。芽亜は正論を言っただけなのに、と泣き真似をする。
親指を床に向けるミアと、スマホを弄りながら棒読みでリズム良く心配の言葉をかけるななるに、ほかのメンバーは生暖かい視線を向ける。
ななるが睨みつけると、すぐにみんな目を逸らしたが。
ミアの肩幅もない踏み台の上にたち、大きく左手を挙げる。
そして、大声で叫んだ。
耳を塞いでもうるさいその声にみんなは慣れたように対応する。
しかし、普段なら非難の目を向ける彼らだが今日は呆然としていた。
最初に口を開いたのは英介だった。
ビシッと、芽亜に指を指す。芽亜はキョトンとしていた。
声を1オクターブ高くして、みんなにねだるミアの姿は、まるで小さな子供のようだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。