第32話

8,324
2021/05/15 06:46
〖あなたside〗



今日も同じ時刻の電車に乗る。









自然とあの彼を探している自分がいる。









だいたい乗っている場所はわかっている。あ、こんな目で追ってるの気持ち悪いかな……。









今日は、少し電車が混んでて座れなかったので吊革に捕まって立っている。









すると、隣に誰か来る。ふわっと男物の香水の香りがする。








香水の匂いが好みでチラッと横を見ると、あの好青年。








うわー!こんなことあるんだ!きっと彼は昨日会釈した人の隣にいるなんて思ってないだろうし、おぼえてもないだろうけど









ちょっと嬉しくてニヤけそうになる。









わたしより背が高くてスラッとしてて、、チラッとみただけだけどかっこいい。








ああ〜、隣にいるだけなのに落ち着かなくてドキドキしてる。








わたし、この人の事何も知らないけど好きなのかもしれない。








あとひと駅で降りる駅だから、この幸せ癒しタイムは終わってしまう。








電車が止まり、降車する駅だ。彼がドアの方に歩き出す。








降りる駅が同じだから、わたしもドアの方に向かう。








後ろ姿もかっこいい。









見つめてるだけで充分幸せだな〜。









そう思っていた。









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