第50話

8,897
2021/05/22 21:08
〖あなたside〗



(なまえ)
あなた
あの
(なまえ)
あなた
口止めとかしないの?
ヒョンジン
ヒョンジン
ふふっ
(なまえ)
あなた
え、何笑ってんの
ヒョンジン
ヒョンジン
言ったところでみんなが信じると思う?
(なまえ)
あなた
……おお?
(なまえ)
あなた
そう来たか
(なまえ)
あなた
うん、まぁ、そうね。
ヒョンジン
ヒョンジン
言うつもりでいたの?
(なまえ)
あなた
うーん、言ったところでわたしになにか利益あるわけじゃないし
(なまえ)
あなた
こういうのって、もっと必死で口止めされるかと思った
ヒョンジン
ヒョンジン
しないよ、そんな面倒なこと
(なまえ)
あなた
あんたのその王子様キャラの方がダルそうだけど
ヒョンジン
ヒョンジン
へえ、そう思ってんだ


背が高いファンヒョンジンくんがジリッとわたしに1歩近づいた。


(なまえ)
あなた
ナンデスカ……
ヒョンジン
ヒョンジン
君、送っていくから早く帰りな?


見上げると、ニコニコスマイル。


(なまえ)
あなた
おお、怖い
ヒョンジン
ヒョンジン
俺の笑顔怖いって言ったの君が初めてだよ
(なまえ)
あなた
目が笑ってない。てか、口角が上がってるだけって感じ。心がついてきてないよ。
ヒョンジン
ヒョンジン
うるせぇな。てか、早く帰れよ
(なまえ)
あなた
ア、ハイ
(なまえ)
あなた
じゃ、帰ります……


なんだか一度に2人の人見てるみたい。ほぼ二重人格かよ……。








くるっと後ろを向いて元いた道に戻る。









早く帰ろ……、完全に見てはいけないものを見てしまった。








……後ろから視線を感じて振り返る。


ヒョンジン
ヒョンジン
なに
(なまえ)
あなた
いや、こっちが
ヒョンジン
ヒョンジン
送るって言ったじゃん
(なまえ)
あなた
あ、マジなんだ。大丈夫だよ。お店戻らなくて大丈夫なの?
ヒョンジン
ヒョンジン
いま休憩


ホストって休憩って概念あるんだね……。お客さん来たらどうするのよ。てか、よく高校生雇ってくれたね……。


ヒョンジン
ヒョンジン
うそ、サボり
(なまえ)
あなた
せめてちゃんと働いて
ヒョンジン
ヒョンジン
あー、うるさ
(なまえ)
あなた
はいはい



その後も、後ろから黙ってついてくるファンヒョンジンくん。


ヒョンジン
ヒョンジン
おい
(なまえ)
あなた
あ、ごめん


車がさーっと通り過ぎる。赤信号渡ろうとしてた。あぶな〜。


ヒョンジン
ヒョンジン
どんくさい
(なまえ)
あなた
ハイハイ



ただ着いてきてるだけじゃなくて、ちゃんと家まで送ってくれた。








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