〖バンチャンside〗
息を切らして走った。
走らないと、呼吸を忘れそうになる。
無理やり酸素を頭に送り込む動きをしないと。
いつのまにか、あなたのことがここまで自分の中で大きな存在なっていたなんて。
無我夢中で走って、ここがどこかなんて気にしてなかった。
皮肉なもので、ここは俺があなたに告白した場所だった。
俺が自信がなくて、声がどんどん小さくなってしまった告白。
振られるんだろうな、そう思ってた。
そう満面の笑みで答えてくれた彼女。
それから、3ヶ月くらいかな、、。しばらくして喧嘩が増え始めた。
泣きながらそう言う彼女。
ついに言ってしまった、そう思った
この出来事からだった。
あなたの心が、どんどん遠ざかって行った気がしたのは。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!