第58話

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2021/05/22 21:19
〖あなたside〗



毎週水曜日はヒョンジンとお弁当を食べる日って決めた。








最近はもう女の子から何も言われないし、公認カップルみたいになりつつある。正直、まずい。









だが、3ヶ月の約束なのでな!!もうすぐ期限切れだ。








……すこし寂しく思うのは情が湧いてきたからかな?








今日は、仕方なしにヒョンジンの分も作ってきてあげた。仕方ないのでね。









いつもは教室に迎えに来るヒョンジンがいつまで経っても来ないので、1人で食べようか、、って思ったけど一応ヒョンジンの教室を覗くことにした。




girl
girl
ヒョンジンくん、ごはんそれだけ??
ヒョンジン
ヒョンジン
え?うん、そうだけど
girl
girl
だめだよ〜!わたしのあげようか?
girl
girl
わたしもあげるー!
ヒョンジン
ヒョンジン
ほんと?ありがとう!



ニコニコの笑顔でそう受け答えするヒョンジン。









……なんだ。「わたし」じゃなくてもいいんじゃん。分かってたことなのに。









いつのまにか、わたしはヒョンジンに惹かれてたのかもしれない。だって、こんな些細な出来事で胸が痛いんだもん。









もういいや。1人で食べよう。中庭にでもいこうかな。





〖ヒョンジンside〗




今日、あなたとお弁当食べる日。









そろそろ迎えに行かないと。









正直、俺は、あなたのこと好きになりかけてる。









自分でもびっくりしてる。あなたは、口は悪いけど世話好きで困ってる人を放っておけない。意外とビビりでかわいいとこもあるし、なんだかんだ、この関係を続けてくれている。ケーキ付きだけど。









迎えに行かないとって思って、自分のお弁当をもって教室を出ようとした時だった。









女の子に声をかけられた。別に君たちの手料理はどうでもいいんだよね。って内心思ってるけど有難く受け取る。









……あなた、こっち来ないな。









まぁ、そっか。あなたはこの関係早く終わらせたいもんね。








それでも、あなたのところに行こうと教室を出たら走るあなたの後ろ姿。


ヒョンジン
ヒョンジン
やっべ、



てか、なんで走ってんだよ!逃げんな!
……やばくはないだろ!俺たち付き合ってないし。なんて言い訳しようって考えてたけど、別に釈明する必要もないんだな。








そんなことをグルグル考えながら、ダッシュで追いかける。






ヒョンジン
ヒョンジン
追いついた……っ、あなたなんで逃げたの
(なまえ)
あなた
……っ、
(なまえ)
あなた
わかんないけど、見てはいけないものを見てしまった気がして
ヒョンジン
ヒョンジン
……それ


あなたがお弁当の袋を2つ持っているのに気が付いた。








すると、あなたが後ろにサッと隠す。



ヒョンジン
ヒョンジン
俺に?
(なまえ)
あなた
……別に



この前のこと覚えててくれたんだ……。嬉しい。にやける。


(なまえ)
あなた
なに、にやけてんの?
(なまえ)
あなた
やっぱり作ってくるんじゃなかった。
(なまえ)
あなた
これ以上私のことからかうのやめてよ。
(なまえ)
あなた
……ばかみたい



そういってあなたは、スタスタ歩いていってしまった。




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