第60話

quokka ①
9,301
2021/05/25 07:53
〖あなたside〗




私には秘密の場所がある。



(なまえ)
あなた
今日もいい天気ー!


屋上だ。どこの学校でもそうだと思うけど、屋上は入れない。









なんで私が入れるかって?









ここの鍵は、ダイアルロック式の南京錠で学校の創立記念日を入れたら偶然開いてしまった。









それからというもの、よくここに来て日向ぼっこをしている。









友達はいるけど、少ししんどくなる時によく来るのだ。友達にはなんとなく誤魔化して来ている。








きっと、あの子達もわたしのことふらふらしてて変な子って思ってるんだろうなぁ。









私からしたら群れてる方が疲れる。



(なまえ)
あなた
はぁ……



ちなみに、先生にはバレてる。でも、フェンスを越えないことと、誰にも言わないってことで特別に見逃してもらった。









多分ダメなんだろうけど、いい先生だ……。



(なまえ)
あなた
えっ、、



遠くを眺めていると、フェンスを超えた所に人が手を広げて立っていた。









ちょっと待って、ちょっと待って!!!!









もしかしなくてものやつでは!!!



(なまえ)
あなた
ちょっと!!!ねえ!!!戻ってきて!!!
ハン
ハン
え?



私が大きい声を出すと、不思議そうな顔でこっちを振り返った男の子。









あ……、この人知ってる。アイドルの先輩だ……。アイドルの活動で忙しくて学校になかなか来てない人。









めっちゃいかついラップしてる人。









なんでそんな人がこんなところに……!!


(なまえ)
あなた
もしかして……のやつじゃないの……?
ハン
ハン
??
ハン
ハン
あ!ごめんごめん!



そう言いながら、フェンスをひょいっと超えてこっちに戻ってきた。



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