〖あなたside〗
わたしとスンミンくんが出会ったのは些細なことだった。
目の前から歩いてきた男の人とぶつかった。
しかも、男の人が持っていたコーヒーが私にかかった。
でも、わたしもよそ見してたし……
目の前を見て驚いた。
わたしが大好きなアイドル。ストレイキッズのスンミンくんだ…………。
帽子をかぶっていて、マスクもしているので目元と声しかわからないけど、それだけでわかる。
そういって渡されたパーカー。
汚れた服を周りに見せるのは恥ずかしいなーって思ってたので、少し安心した。
スンミンくんのパーカーだ……!!柔軟剤のいい匂いがする。
だけど、どこいったんだろう……。
5分ほど経つと、息を切らして戻ってきたスンミンくん。
と、いったけど今日は白い服を着てきてしまった……。
どうやら走っていったのは、クレジットカードを家まで取りに言ったのだろうか……
そういって向かいの服屋さんに2人で入って、ワンピースを選んだ。
半ば強引に話が進んだ。
でも、これは願ってもない「チャンス」だと思ってしまった。
彼はわたしが大好きなアイドル。
彼とどうにかなろうって気持ちはないけど、プライベートの彼に近づきたい。ファンなら誰もがそう思うだろう。
その日の夜
わたし、スンミンくんとメールしてる……!
上がる気持ちを抑えて、冷静に対応したつもり。
そういって、メールが終わると思っていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。