第15話

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2021/05/08 01:13
〖アイエンside〗




やってしまった……。









こんなこと言うつもり無かったのに……。









やっぱり、心の底で思ってるとふとした瞬間に出てしまう。








後輩のあなたに、かわいいって言ってしまった……。








今までずっと軽く見られたくなくて、かわいいとかかわいいとかかわいいとか思ってても、絶対に言わなかった。









顔赤くして、楽しいって言ってくれるなんてもうかわいいでしかなくない?








ああ、もう……。



(なまえ)
あなた
先輩……?
アイエン
アイエン
あ、ごめん(笑)



もうなんて言おう。あなたが俺の顔を見てキョトンとしている。








かわいい。









その顔を見てるだけでニヤニヤしちゃうよね。









……そう、俺はずっと前から片思いしている。









それは、あなたが入学する前から。









ちょうど一年半前くらい。俺が高校に入学する日。




アイエン
アイエン
わ、、どこ……



普段乗らない地下鉄。何度かヒョンジニヒョンと一緒に行って覚えたはずなのに、一人で行くともうパニック。








どっちに向かえばいいんだ……?









そう思って、地下鉄の電光掲示板を下から眺めながらウロウロしていた。


(なまえ)
あなた
あの、、
アイエン
アイエン
はい?
(なまえ)
あなた
ソコンイェに向かう方ですか?
アイエン
アイエン
あ、はい……でも、どっちに行けばいいか……
(なまえ)
あなた
あ、やっぱり(笑)
(なまえ)
あなた
こっちですよ、わたしもその駅で降りるので良ければ一緒に行きましょうか?
アイエン
アイエン
本当ですか!?ありがとうございます!




そう俺に声をかけて、優しく微笑んでくれたあなた。








それから、毎朝同じ方向の電車に乗るあなたを見つけた。








あなたは俺に気づいてなかったけど、俺はずっとあなたを見ていた。









っていうとすごくストーカーみたいだけど。本当に遠くから眺めてた。声はかけられなかった。









気づいたら好きになってた。









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