〖バンチャンside〗
わたし、頑張るねっ!
そう言っていたから、鬼のように連絡が来て会いたい攻撃が始まるかと思ってた。
……全く連絡が来ない。
さすがに彼女だから、おはようとかそこらへんの挨拶くらいの連絡はするつもりだったし、1週間に1度くらいは電話の時間も取ろうかと思っていた。
会えない代わりに、そこらへんは形式的にでもしようと思っていた。
礼儀として。
それがどうだろう。全く連絡が来ない。
……え?
もしかして……付き合ってない?
気の所為だったのかな、、もしかして、あれって夢?
……遠慮してるのかな?
そう思って、連絡してみた。
きっとすぐ返ってくるんだろうな〜、とか思いながらジムに行くことにする。
ジムで運動して、終わってから携帯を開く。
なんて返ってきてるかな〜。
……あれ?まだかえってこないな……。
まだ10時だ。寝てるのかな……
それから昼になって、夕方。
もうおはようの時間じゃないだろ……。
またメッセージが来るのは明日になりそ……
あれ……今度は早いな……。
気まぐれで返信してるのか……
あれ?
俺、今すごく振り回されてない?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!