〖あなたside〗
また名前を呼ばれて、ベッド押し倒される。
正直、リノとは相性がいいと思う。
お互いの需要と供給がなりたっている。
リノとするのは好きだ。気持ちいいし、心地いい。なにより、好きな人だから。
いつもはぼんやりとした気持ちだけど、行為のときはやっぱり自覚してしまう。
この人が好きだと。
好きも可愛いも言われない。
ただ、
こんなこと言われたら離れがたくなるじゃない。
でも、もう終わりにしないとね。
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終わりにするひとつの手段として、最近知り合った男の子と会うことにした。
わたしが連絡を取らなければ自然と会わなくなるだろう。
やっぱり、特に何も言わないのね。
わたしがまた、ここに戻ってくると思ってる。
もう戻らないからね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!