〖あなたside〗
今日がそのD-dayだ。
フィリックスさんとご飯に行く日。年下のイケメンとご飯なんて初めてでめっちゃ緊張する。
……てか、断る理由もなかったから断らなかったけど、何話せばいいの?なにもなくない???(失礼)
と、思ってたんだけど。
連れてってくれたのは、いかにも女子が好きそうなオシャレなレストラン。でも、高級な所じゃなくてカジュアルな気取らないところ。
きっと、この子の財力なら高級なレストランも連れて行けるんだろうけど、私が気を遣わないようにカジュアルなところ選んでくれたんだろうな……。
あと、お話上手でずっと面白い話してくれる。話すことないなんて言ってごめんなさい……。
年下なのに、年上の男の人と喋ってるみたい。すごく紳士的。
デザートも食べ終わって、コーヒーを飲んでる時だった。
真剣な眼差しで私の目を見た。
次の瞬間、テーブルの上に置いた私の手を握ったフィリックスさん。
見たことないような熱い視線を向けられた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!