第36話

8,716
2021/05/17 03:21
〖あなたside〗


その後も、わたしが困ってるとスーパーマンのように颯爽と現れるフィリックスさん。









社内で会うと少しおしゃべりするような仲になった。


(なまえ)
あなた
お疲れ様です
フィリックス
フィリックス
あなたさん、お疲れ様です


わたしはなんだかんだ仕事があるので、スタスタと自分のデスクへ向かう。



フィリックス
フィリックス
あ、あの!
フィリックス
フィリックス
あなたさん!
(なまえ)
あなた
へ……?
(なまえ)
あなた
わた、し?
フィリックス
フィリックス
そうです


駆け足で寄ってくるフィリックスさん。



(なまえ)
あなた
どうしました?なにかありましたか?



経理課のわたしに何かあるとすれば……、、タクシー代とかかな……



フィリックス
フィリックス
今度、ご飯行きませんか?



いつものにこにこした可愛らしい笑顔じゃなくて、男らしい真剣な目付きで私を見る。からかってるわけじゃなさそう。



(なまえ)
あなた
ご、はん……
フィリックス
フィリックス
嫌ですか?
(なまえ)
あなた
あ、いや、
(なまえ)
あなた
嬉しいんですけど……
フィリックス
フィリックス
じゃあ……!
(なまえ)
あなた
いや、わたしなんかと行っても面白くはないと思いますよ?
フィリックス
フィリックス
なんでそんなこと言うんですか?
フィリックス
フィリックス
あなたさんはとても魅力的な女性ですよ
(なまえ)
あなた
ありがとうございます……


恥ずかしくて声が小さくなる。


フィリックス
フィリックス
早くしないと誰かに盗られちゃいそうです
(なまえ)
あなた
え、?
フィリックス
フィリックス
じゃあ、これ、俺の番号です
(なまえ)
あなた
え?!
フィリックス
フィリックス
あとで連絡くださいね!
フィリックス
フィリックス
じゃあ!



その言葉を残して、爽やかな笑顔で去っていってしまった。


(なまえ)
あなた
盗られちゃいそうです…………?

え……?









どういう意味……?!








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