〖あなたside〗
その後も、わたしが困ってるとスーパーマンのように颯爽と現れるフィリックスさん。
社内で会うと少しおしゃべりするような仲になった。
わたしはなんだかんだ仕事があるので、スタスタと自分のデスクへ向かう。
駆け足で寄ってくるフィリックスさん。
経理課のわたしに何かあるとすれば……、、タクシー代とかかな……
いつものにこにこした可愛らしい笑顔じゃなくて、男らしい真剣な目付きで私を見る。からかってるわけじゃなさそう。
恥ずかしくて声が小さくなる。
その言葉を残して、爽やかな笑顔で去っていってしまった。
え……?
どういう意味……?!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!