《テオくんside》
フ「そういえばじんさん遅くないすか?」
フレントが気づいたように言う。
よ「絶対寝てるよwww」
テ「俺見てくるわ、」
誰かが様子を見に行く前にその場を立つ。
テ「…じんたん?」
トイレの前でじんたんを呼ぶが、返事はない。
開けるよ、とだけ言ってゆっくりとドアを開ける。
じ「っ、はぁっ、はっ、」
便座ではなく、床に座り込んでいるじんたん。
さっきの影響で、もう発 情期が来ていたらしい。
テ「…あっち行ける?」
じ「ん、」
手を貸すと俺より小さい手がそれを掴む。
じ「…テオくんの部屋がいい、」
分かったよ、と引っ張っていく。
じんたんが発 情期になると優しくしてしまう。
テ「こいつ本当に寝ててさ~www」
リビングに入るなりいつもの調子で伝える。
フ「きゃ~じんさんお茶目っ」
それに便乗するフレント。
じんたんを俺の部屋に入れたことは
誰も気づいていないみたいだった。
それから数時間後。
みんなに死ぬほど楽しませてもらって
そのあと惜しみながらも解散した。
落ち着いてから
またじんたんの様子を見に行く。
テ「…じんたん大丈夫?」
またもや返事はない。
ベッドの近くまで行くと
完全に布団に潜ってすやすやと寝ていた。
薬も飲めなかっただろうし相当苦しかったと思う。
瞼は閉じられていて、まつ毛は濡れていた。
テ「…ごめんなぁ、」
毎回こんなんだから。
今日も、明日も。
ますますじんたんから目を離せなくなる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!