第29話

ご褒美
2,217
2018/01/25 12:22
《テオくんside》



テ「っ、はぁっ、はぁっ」



小走りで家に向かう俺。



最近運動する時間がなくて体力もなくなって
すぐに息が切れる。



テ「じんたんただいま!」



玄関に靴を脱ぎ散らかして
急いでリビングに入った。



じんたんは俺の顔を見るなり
テオくんっ、と呟いて飛びついてくる。



テ「おめでとう、」



俺がそういったのは
ついさっきスカイピースの登録者数が
100万人を突破したから。



じ「…なんで家にいないの、馬鹿」



ごめんごめん、と背中をポンポンすると
またじんたんはしくしくと泣き始めた。



テ「な~くなよぉ~w」



寂しかった、と呟くじんたん。



じ「フレントももう帰っちゃったし」



ちょこん、とじんたんがソファに座る。



その前にあるテーブルにはパソコンがあって
それが表示しているのは
" 登録者数100万人 "の文字。



テ「…本当に行ったんだなぁ、」

じ「俺テオくんに着いてきてよかったよ」



だろぉ~?と言ってじんたんをつつく。



じ「ん」



こっちに顔を向けて
目を閉じて口をむっ、としているじんたん。



可愛くてつい見惚れる。



するとじんたんは薄目を開けて
早く、と俺を急かす。



テ「分かった分かった、」



じんたんに顔を近づけるとソファの重心が変わって
必然的に俺が覆いかぶさる体勢になる。



じ「ん…」



長めのキスが終わると
じんたんは下から俺を見上げて



じ「テオくんが帰ってくるまで結構我慢してたんだよ、だからご褒美ちょうだい」



そう言った。



じんたんが自分から
そんなことを言うのは初めてでびっくりする。



いつも俺の気分でじんたんを抱いてきたから
あっちから言ってくれるのがなんか嬉しくて。



テ「いいよ、」



そう言って服の中に手を滑らせる。



じ「テオくん違う、」

テ「え、」



じんたんは上半身を起こした。



すると今度は逆に
俺がじんたんの下敷きにされる。



じ「今日はテオくんがこっち側ね?」

プリ小説オーディオドラマ