《テオくんside》
テ「っ、はぁっ、はぁっ」
小走りで家に向かう俺。
最近運動する時間がなくて体力もなくなって
すぐに息が切れる。
テ「じんたんただいま!」
玄関に靴を脱ぎ散らかして
急いでリビングに入った。
じんたんは俺の顔を見るなり
テオくんっ、と呟いて飛びついてくる。
テ「おめでとう、」
俺がそういったのは
ついさっきスカイピースの登録者数が
100万人を突破したから。
じ「…なんで家にいないの、馬鹿」
ごめんごめん、と背中をポンポンすると
またじんたんはしくしくと泣き始めた。
テ「な~くなよぉ~w」
寂しかった、と呟くじんたん。
じ「フレントももう帰っちゃったし」
ちょこん、とじんたんがソファに座る。
その前にあるテーブルにはパソコンがあって
それが表示しているのは
" 登録者数100万人 "の文字。
テ「…本当に行ったんだなぁ、」
じ「俺テオくんに着いてきてよかったよ」
だろぉ~?と言ってじんたんをつつく。
じ「ん」
こっちに顔を向けて
目を閉じて口をむっ、としているじんたん。
可愛くてつい見惚れる。
するとじんたんは薄目を開けて
早く、と俺を急かす。
テ「分かった分かった、」
じんたんに顔を近づけるとソファの重心が変わって
必然的に俺が覆いかぶさる体勢になる。
じ「ん…」
長めのキスが終わると
じんたんは下から俺を見上げて
じ「テオくんが帰ってくるまで結構我慢してたんだよ、だからご褒美ちょうだい」
そう言った。
じんたんが自分から
そんなことを言うのは初めてでびっくりする。
いつも俺の気分でじんたんを抱いてきたから
あっちから言ってくれるのがなんか嬉しくて。
テ「いいよ、」
そう言って服の中に手を滑らせる。
じ「テオくん違う、」
テ「え、」
じんたんは上半身を起こした。
すると今度は逆に
俺がじんたんの下敷きにされる。
じ「今日はテオくんがこっち側ね?」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!