《テオくんside》
じ「…テオくん、」
俺が呼ばれて振り向くと
ん、と手を広げるじんたん。
俺の相方は照れ屋だ。
口でハグして、とか絶対に言わない。
俺とは正反対だ。
照れ屋ですぐ恥ずかしがる。
俺たちの" 初めて "の時もそうだった。
.
あの時、俺はお酒を飲みすぎていて
相当酔っていた。
じんたんも少しお酒が入っていて
いちいち可愛い事をするから
もう理性とか多分なくて。
じ「ん、」
今までにないくらい長めのキスを落としていた。
唇を離してじんたんの顔を覗くと
俺みたいに真っっ赤な顔をしていて。
そのままじんたんを俺の部屋に入れて
ベッドに放り投げる。
こんなことをしたのは初めてで
じんたんはベッドの端に逃げた。
必死に抵抗するじんたんを他所に、上にかぶさる。
テ「自分がそっち側なの、分かってるでしょ?」
じ「待ってテオくんっ、」
何かを言おうとしたじんたんに
さっきのキスの続きをして黙らせる。
拗ねたような顔で泣きそうになるじんたん。
テ「…脱いで?」
じ「や…だ、」
全然脱ぐ気配がないので
じんたんの服の裾に手をかける。
するとじんたんが俺の手を掴んだ。
テ「なんで?出来ないじゃん」
じ「…恥ずかし、い、」
目をそらされる。
テ「何、お前可愛いな~~」
仕方なく下だけ下ろして
我慢してね、とじんたんの耳元で囁き
ゆっくり挿れる。
じ「あっ、んぁ、ゃ、」
テ「感度いいね?」
じんたんをからかうように言った。
じ「なっ、ん、ばかぁっ、」
なんせその時は初めてで
じんたんの弱いところとか全然分かんないし
それで焦らされていたらしく。
じ「テオ、くんっ、もっ、と」
テ「…もっと、何?」
何をどうして欲しいか分かっているものの
悪戯したくなって、続きを促す。
じ「…いじわるっ、」
きっと恥ずかしいんだろう。
結局言ってくれなかったが。
じ「ん、ん~~、」
女の子みたいな声を出すのが嫌なのか
声を我慢しているじんたん。
そのせいで声が震えている。
それすら女の子みたいで。
そうやってじんたんが
恥ずかしがって照れてるのを見るのが好き。
そのせいもあってか
よく" S "だねって言われるけど。
.
俺たちの" 初めて "を思い出して懐かしくなる。
まあ今でもじんたんの
" 照れ屋 "は変わっていないのだが。
その照れ屋さんは
俺にしか見せちゃいけないからね、じんたん。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。