第51話

ふて寝
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2018/01/31 11:43
《☆イニ☆side》



☆イニ☆
…ね、テオくん
俺はパソコンに向かっているテオくんを睨む。



両耳にイヤフォンをしていて聞こえないのか
ずっと無言のままだ。
☆イニ☆
ねえ、
片方のイヤフォンをぽろっと外した。
テオくん
…痛っ、何?
やっとこっちを向いたテオくん。
☆イニ☆
俺の塩辛食べたでしょっ
真剣に言ったのに、テオくんは盛大に吹き出した。
☆イニ☆
…笑うところじゃない、
ぼそっと言う。
テオくん
普通なら"俺のプリン食べたでしょ?"だろww 塩辛渋すぎww
笑うテオくん。



これでも結構怒ってるのに。
☆イニ☆
…代わりに買ってきてよ
テオくん
めんどい
笑い終わるとまたイヤフォンをして
パソコンをいじり始めた。
☆イニ☆
…もういいもん、
ついにいじけた俺は、ソファで横になる。



本当は全然眠くなくて
しばらく経っても逆に目が冴え冴えしている。
テオくん
またふて寝?
テオくんの声が後ろからして、思わず肩が跳ねる。
☆イニ☆
は、ふて寝じゃないしっ
必死に返す。
テオくん
じゃあ何?俺のことずっと待ってた寝?
意味のわからないことを言い出した。
☆イニ☆
違う!眠たいの!
テオくん
の割に寝てないよね
不意にテオくんの声が近くなって
耳元を触られた。
☆イニ☆
やだっ、変態っ
くるっと振り向いて、またテオくんを睨みつけた。
テオくん
本当は待ってたんじゃないの?
☆イニ☆
…ばかっ
遅いよ、と言ってテオくんに抱きつく。
テオくん
ごめんごめん
そう言ってテオくんも
俺の背中に手を回してくれた。



俺たちの仲直りはいつもこう。
☆イニ☆
…塩辛、忘れないでね?
はいはい、と苦笑いのテオくん。
そんなくだらない日々が、とてつもなく、幸せで。
☆イニ☆
…好きだよ、

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