《テオくんside》
いつもより、何故か無口なじんたん。
そんなじんたんの手を、強く握る。
ぎこちなく、キスをする。
そしてその後、抱きしめた。
それなのに何で、じんたんは俯いてるの?
__どうして、泣いてるの?
じんたんは、何か決心をしたような顔だった。
頭が真っ白になる。
そしてじんたんが言った。
迷惑なんて、かけられてないのに。
だけど
それは言葉にできなかった。
.
俺がそう言ってじんたんに告白した日。
じんたんは泣くほど喜んでくれた。
そして、たまに行く、近くの観覧車。
そこでもじんたんは、涙を流した。
そう言いながら。
ねえ、こんなに、こんなにも。
恋が切ないものだって知ったのも
じんたんに出会ってから知ったことなのに。
その約束は、守れないまま、儚く散った。
一番最初の、じんたんの涙。
それは、俺がじんたんに好きと伝えた日。
そして最後の、じんたんの涙。
『ごめん』『さよなら』
その言葉と、そして
もどかしさと、やるせなさと共に、今、零れた。
じんたんは、何を考えていたんだろう。
そして俺は、なぜ何もやれなかったんだろう。
涙から始まった恋が、また涙で終わる。
たまに乗っていた、観覧車。
夕日が綺麗と、毎回のように言い合った。
今、それを見上げれば、俺の
.
____涙で。
夜空に、滲んでいった。
涙 / GENERATIONS from EXILETRIBE
◎ Arrange by ぴぃち .
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。