《テオくんside》
ずっと王様にも当たらず
つまんなかったから願うように箸を見る。
テ「やっった俺6番だ!!」
どんな命令だったかも気にせず喜ぶ。
か「テオくんめっちゃキスしたいじゃんw」
じ「俺だ~」
眠そうな声で名乗るじんたん。
よ「おっ、ここで名コンビ2人の愛の行為がみれるのね!!」
テンションが高くなってきたよしりん。
そしてふと思い出す。
じんたん発 情期近いじゃん…
ここにいる人の中で
どれだけの人がαかは分からないが
確かΩの性の人はいないはずだ。
もちろんじんたんはΩなわけで
それをみんなに隠して活動している。
バレる可能性が、当然のようにあるのだ。
よ「ほらグズグズしてないで早く!!」
じんたんも同じことを考えていたらしく
顔がこわばっている。
ここでノリのいい俺が拒否したら
確実におかしいと思われるし、やるしかない。
テ「わぁかったよやるよっ!」
俺らの事情を知らないみんなは
面白いものを見るような目でこちらを凝視する。
『せ~のっ』
顔を近づけると、ふわ、と香る甘い匂い。
そしてゆっくりと唇を重ねる。
『ごぉ!』
じんたんから漂う匂いに頭がやられそうで。
『よん!』
テ「んふんふふwww」
照れ隠しを演じるように笑う。
『さん!』
その掛け声と同時に
じんたんが手を俺の足に乗せてズボンを握る。
『にぃ!』
その反応に
舌をじんたんの口に入れたい衝動に駆られるが
必死に理性を保つ。
『いち!』
じんたんが放つ香りは
さっきよりも強くなっていて。
『ぜろ~!』
その声が聞こえた瞬間顔を離す。
テ「くっそ恥ずいわwww」
じんたんのΩ特有の香りに
理性を持ってかれるのを抑えながら
ありきたりの言葉を言う。
じんたんを見ると
分かるか分からないかぐらいだが
息が少し荒くなっていて、目も潤んでいた。
こ「きゃーお似合いじゃん!!」
じんたんが恥ずかしくて俯いていると思ったのか
こなんはそんな能天気なことを言う。
じ「も、恥ずかし、から俺トイレっ」
自分の変化に気づかれないように
笑いながら部屋を退出するじんたん。
心配ですぐ見に行きたいところだけど
そんなことは出来ない。
テ「…んもうっ、早く次っ!!」
そうして、また
じんたん抜きの王様ゲームが始まった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。