第103話

口下手
1,531
2018/06/17 11:53
《テオくんside》







俺の相方は、嘘が上手くない。







だからアイツが仕掛けてくるドッキリに

ちゃんと引っ掛かったことがほぼない。






☆イニ☆
ね、テオくん喉乾いてない?







こうやってじんたんから

話を振ってくる時は、大体何か企んでいる時。







ただ薄々察せたとして、

それをどうしようとかそういう考えには至らないが。






テオくん
乾いた







むしろこちらから話に乗る。







俺が答えると、妙に嬉しそうに台所に向かった。






☆イニ☆
はい、







そう言って渡してきたのは水。







多分水道水かなんかだろう。







わざわざ俺が水を買う人間だということを

1番知っているはずなのに。






テオくん
ありがと







こういう抜けてるところが駄目なんだよなあ、







仕方なくその罠に嵌ってあげようとするが

何を思ったのかじんたんは席を外す。






テオくん
ほんと隙ありすぎ、







机の上に並んだふたつのコップ。







もちろんお揃いの。







その左右を入れ替えて

じんたんが飲むはずだった水を身体に流し込む。






☆イニ☆
ど?おいし?







戻ってきたじんたんが呑気にそんなことを言うが

水に " 美味しい " も何も無いのだから

天然でやってるのかただのアホなのか分からない。






テオくん
うん、美味しい







良かった、と

じんたんの計算上俺が飲むために用意した水に

唇をつけるじんたん。







その液体に何が入っているのか

もう俺は察しているのだが。







今頃、効果はまだかなあ、とか

そんなことを考えているんだろう。







その液体の正体を知っている俺からしたら

もちろん早く効果が現れてほしい一方だ。







辛抱強くその時を待っていると

流石に違和感を覚えたのか、隣で






☆イニ☆
..あれ、







と小さい声を漏らすじんたん。







目を向けると足の間に両手を挟みながら

困ったような顔をして

並んでいる2つのコップを見つめていた。






テオくん
…どうした?







理由は聞かなくたって分かってるけど

わざといつもより距離を詰めて聞く。






☆イニ☆
ぅえっ、







素面の時ならありえないほど過剰に反応する。






☆イニ☆
…ぁ、いや、ちょっと俺具合悪くなってきたから部屋戻、る







立とうとしたじんたんを抑えてこちらを向かせた。






テオくん
..それ?







俺が指を指しながら言うと

その先にあるものをチラ、と見てから






☆イニ☆
..う、ん







と、バツが悪そうにそう答えた。







そっか、とじんたんの首に手をやると

それだけで大きく反応する。







当たり前だ、その液体には

" 媚薬 " が入っているのだから。







なんで知ってるの、と言ったような顔で見てくる。






テオくん
分かりやすすぎなんだよ、







それどうするの、と呟くと






☆イニ☆
ひとりでなんとかする、から







そう言った。







自分で盛った媚薬に自分で引っかかって

自分で盛った媚薬に自分が発情して

自分で盛った媚薬を自分で処理するって

考えるだけで可愛いけど、なんて言うかその、






テオくん
..それでいいの?







男が最も敏感であろうところに手を置く。






☆イニ☆
.…ぅあ、






目に涙をためているもんだから

やっぱりつい、意地悪をしたくなって。






テオくん
..俺がそうなったらどうするつもりだったの







説教、と言っていいのかはわからないが

こういう局面の方が興奮するじゃん?






テオくん
言ってくれないと何もしてあげられないよ、







と、言いつつ詰め寄っているのだが。






☆イニ☆
..ぇ、







震えながら、小さく呟く。






テオくん
ん?







さらに焦らすように、腰あたりを摩った。






☆イニ☆
…えっ、ち、







やっと吐いた、

と言うより、やっと吐かせたその言葉。






テオくん
..へ〜、そんなえっちぃこと考えてたんだ







震えている唇をなぞる。






☆イニ☆
…おねが、ぃ、早くっ、







普段そういうことをねだってこないじんたんだから

これ以上焦らすことは、俺が我慢出来なさそうだ。






テオくん
その代わり、お前が下な、







そうして、口付けをしながら押し倒していく。







もちろんそれはそれは簡単に倒れていって

服のはだけ具合といい、顔の色っぽさといい、

じんたんを、







..溶かして、永遠に俺のものにしたいと思った。







.







お久しぶりです .

人間ってすごいもので

" 書かなきゃ " と思うと書きたくなくなるし

逆に " 書かなくてもいいんだ " と思うと

楽になったけど

また " 書きたい " と

思うようになってしまいました〜 ..

本当に自己中すぎて自重したいです .

ですのでこれからは

自分が書きたい時(となると月1になる可能性アリ)に

ゆっくり書いていこうかな、と思います(長編も) .

やっぱり1ヶ月強も文章に触れないでいると

ボキャブラリーやらなんやら全然なくなりますね .

叩くなら叩くで全然ぶっ叩いてもらってもいいので

ぜひ呼んでくださいね ︎☺︎

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