《テオくんside》
俺の相方は、嘘が上手くない。
だからアイツが仕掛けてくるドッキリに
ちゃんと引っ掛かったことがほぼない。
こうやってじんたんから
話を振ってくる時は、大体何か企んでいる時。
ただ薄々察せたとして、
それをどうしようとかそういう考えには至らないが。
むしろこちらから話に乗る。
俺が答えると、妙に嬉しそうに台所に向かった。
そう言って渡してきたのは水。
多分水道水かなんかだろう。
わざわざ俺が水を買う人間だということを
1番知っているはずなのに。
こういう抜けてるところが駄目なんだよなあ、
仕方なくその罠に嵌ってあげようとするが
何を思ったのかじんたんは席を外す。
机の上に並んだふたつのコップ。
もちろんお揃いの。
その左右を入れ替えて
じんたんが飲むはずだった水を身体に流し込む。
戻ってきたじんたんが呑気にそんなことを言うが
水に " 美味しい " も何も無いのだから
天然でやってるのかただのアホなのか分からない。
良かった、と
じんたんの計算上俺が飲むために用意した水に
唇をつけるじんたん。
その液体に何が入っているのか
もう俺は察しているのだが。
今頃、効果はまだかなあ、とか
そんなことを考えているんだろう。
その液体の正体を知っている俺からしたら
もちろん早く効果が現れてほしい一方だ。
辛抱強くその時を待っていると
流石に違和感を覚えたのか、隣で
と小さい声を漏らすじんたん。
目を向けると足の間に両手を挟みながら
困ったような顔をして
並んでいる2つのコップを見つめていた。
理由は聞かなくたって分かってるけど
わざといつもより距離を詰めて聞く。
素面の時ならありえないほど過剰に反応する。
立とうとしたじんたんを抑えてこちらを向かせた。
俺が指を指しながら言うと
その先にあるものをチラ、と見てから
と、バツが悪そうにそう答えた。
そっか、とじんたんの首に手をやると
それだけで大きく反応する。
当たり前だ、その液体には
" 媚薬 " が入っているのだから。
なんで知ってるの、と言ったような顔で見てくる。
それどうするの、と呟くと
そう言った。
自分で盛った媚薬に自分で引っかかって
自分で盛った媚薬に自分が発情して
自分で盛った媚薬を自分で処理するって
考えるだけで可愛いけど、なんて言うかその、
男が最も敏感であろうところに手を置く。
目に涙をためているもんだから
やっぱりつい、意地悪をしたくなって。
説教、と言っていいのかはわからないが
こういう局面の方が興奮するじゃん?
と、言いつつ詰め寄っているのだが。
震えながら、小さく呟く。
さらに焦らすように、腰あたりを摩った。
やっと吐いた、
と言うより、やっと吐かせたその言葉。
震えている唇をなぞる。
普段そういうことをねだってこないじんたんだから
これ以上焦らすことは、俺が我慢出来なさそうだ。
そうして、口付けをしながら押し倒していく。
もちろんそれはそれは簡単に倒れていって
服のはだけ具合といい、顔の色っぽさといい、
じんたんを、
..溶かして、永遠に俺のものにしたいと思った。
.
お久しぶりです .
人間ってすごいもので
" 書かなきゃ " と思うと書きたくなくなるし
逆に " 書かなくてもいいんだ " と思うと
楽になったけど
また " 書きたい " と
思うようになってしまいました〜 ..
本当に自己中すぎて自重したいです .
ですのでこれからは
自分が書きたい時(となると月1になる可能性アリ)に
ゆっくり書いていこうかな、と思います(長編も) .
やっぱり1ヶ月強も文章に触れないでいると
ボキャブラリーやらなんやら全然なくなりますね .
叩くなら叩くで全然ぶっ叩いてもらってもいいので
ぜひ呼んでくださいね ︎☺︎
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。