《テオくんside》
今日は珍しく
少しだけ空いていたカーテンからの光で目を覚ます。
顔を隣に向けると
じんたんが壁の方を向いて寒そうに縮こまっていた。
俺は無意識に身体を横に向け、それを包み込む。
じんたんの髪の毛からは
まだ香るシャンプーの匂いが鼻を掠めた。
後ろを向いたまま俺の名前を呼ぶじんたん。
なーに、と俺も眠いなか答える。
しばらく待つが返事は返ってこない。
耳を澄ませると聞こえてくる寝息。
なんだ、寝言か。
可愛い。
今日もじんたんに
心地良く暖かい愛しさが募っていく。
これはリスナーさんも
マネージャーさんも
他の動画仲間たちさえも知らない
俺たちの " Back face " 。
いわゆる、
____裏の顔。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。