第22話

振り向いて2※
2,218
2018/01/23 07:24
《みやかわくんside》



腕を引っ張って引き寄せる。



案外簡単に引っ張れて
やっぱりじんちゃんはじんちゃんだな、と思う。



じ「…何?」



訝しげに見つめてくる
じんちゃんの唇を奪った。



じ「んっ、」



じんちゃんの香りで満たされて
それによって理性もどんどんすり減っていく。



心にぽっかりと空いた穴が埋まるように
俺自身何も考えられなくなっていて。



弱い力で服を握られる。



唇を離した瞬間



じ「何やってるのっ、」



はぁ、はぁ、と息をしながら聞いてきた。



困惑してるじんちゃんを
敷いてあった布団の上に押し倒す。



み「嫌なら抵抗してみなよ」



なぜそんなことを言ったのかはわからない。



でもなぜか、謎の余裕があって。



み「じんちゃんが弱いから悪いんだよ、」



じんちゃんが分からない。



なんで抵抗しないの?



本当に抵抗できないの?



それとも、



期待しちゃっていいの?



ああもう、そんなこと今はどうでもいい。



じ「んやっ、ぁ、っ」



苦しそうで切なそうな顔を真っ赤にして
か細すぎる声を出すじんちゃんを見下ろす。



ぽろ、と涙を流した。



み「…泣かないで」



言っていることと行動が矛盾している。



じ「み、やぁ、」



とぎれとぎれの言葉を紡いで
必死に俺の名前を呼ぶじんちゃん。



それ以上呼ばないで。



止められなくなっちゃうよ。



もうきっと手遅れで、止められないんだろうけど。



こんな荒々しい手を使ってしか
じんちゃんを振り向かせることが出来ない。



むしろ振り向くかさえわからない。



振り向いてくれない可能性の方が高い。



でもそれだけじんちゃんのことが好きなんだよ。



み「…じんちゃん」



__お願いだから、振り向いて。

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