第95話

ウェザー
1,273
2018/05/02 22:58
《☆イニ☆side》







____ザーーーーーーー ッ..







雨の日は嫌いだ。







耳の穴にまとわりついてくるような音に

焦燥感を煽られるから。







無駄なくらいに綺麗で " 小汚い " 窓に目をやると

呆気ないぐらい強く

叩きつけられる雫が俺の視界を塞ぐ。







上から流れてくる小さなひとつの雫が

以下にある雫を拾って

スピードを速くしていってしまった。







流れ作業のような一連の動作。







それが俺を憂鬱へと導く。







今にも叫びだしそうな空が

機嫌を悪くして泣いてしまっている。







晴れの日も嫌いだ。







太陽が差し込んで

日照ったアスファルトの香りが妙に暖かく

呆気なさだけを残していくから。







無駄に透き通った " 小汚い " 空に目をやると

どこまでも遠くの方の雲が

俺の存在を、見下しているような気がして。







命があるような雲は

たったひとつだけ早く空を動き回って

同じ雲をも見下す。







これも全部、流れ作業。







今度は俺を、孤独へと導く。







今にも大笑いしそうな空は

いつまでも、俺を覗いている。







曇の日は、そんなに嫌いじゃない。







宝物が手に入った日だから。







いつもは聞きたくもない鳴き声が

その日だけは心地よい耳触りだった。







無駄に潤った " 小汚い " 地面に目をやると

鮮やかに色づいたものが

俺の視界を塞ぐ。







土を割って出てくる雑草が

俺を強くしてくれるような気がして。







流れ作業なんかじゃない。







俺を、誘惑へと導く。







でもこの世で1番嫌いなのは、







自分自身だ。







ありえないほど甘ったるい泣き声で

オスに求愛をするメスのようだから。







無駄なくらい清潔で " 小汚い " 手に目をやると

微かに震えていて

まだあの時の感覚が残ってしまっている。







どんどん溢れてくるこの " 異常な " 気持ちは

止まることなく大きさを増して

" テオくん " という大切な人に脅威を振るう。







流れ作業では出来ないはずの行為を

難なくこなしてしまった。







それが俺を、優越へと導く。







今にも逃げ出しそうな " 重い個体 " が

泣き出してしまった空の下で、横たわっている。







.







◎ 🤓🐰りぃり😎🐴 様リクエスト .







.







リクエストありがとうございました◎

ふきだし一切なくて申し訳ないです。

今回は " シリアス " というリクエストだったので

こういうふうなお話を書かせていただきました◎

実は作者シリアスの意味そんなに知りません(散れ)

今回は理解に苦しむ方がいると思うので

あまりやりたくなかった解説をいれようかと…

長くなるので飛ばすのも可です◎

正直 " 雨の日 " " 晴れの日 " に関しては

ただの文字数稼ぎです。

少し関連づけましたが。

注目してみてほしい(そうでもない)のは

" 曇の日 " と " 自分自身 " です◎

しかも特に1番わからなかったと思います。

解説を見ずに理解できた人は

なんでも買ってあげるのでぜひ教えてください(嘘)

" 宝物が手に入った日 "

これは皆さん分かる通り " テオくん " のことです。

" 手に入る " というワードが分かったら

もう既に理解できるかな、と。

" いつもは聞きたくない鳴き声 "

これはテオくんの死に際の必死な叫び。

先に " 死ぬ " というワードを出してしまいましたが

じんたんはやはりヤンデレキャラでしたね(失礼)

" 鮮やかに色づいたものが "

血です。単純明快。ワロタ。

そして " 自分自身 " 。

もともと解説はつけない予定だったので

ここで理解してもらうつもりでした。

オスメスのくだりは多分分かりますよね(ね?)

" 綺麗だけど小汚い手に残るあの時の感覚 "

(少し文は変えたので注意)

これは血がついた手を洗い流して清潔になった手。

しかし " イケナイ " ことを犯してしまった手。

" あの時 " はテオくんを殺してしまった時。

" 今にも逃げ出しそうな重い個体 "

これはテオくんの遺体ですね。

ここで浮かぶ疑問、

テオくんを犯した(人命的な意味で)のは曇りなのに

なんで " 泣き出してしまった空 " の下なのか。

それはじんたんが我に戻ってしまった、

ということを伝えたかったんです伝われ。

何年やってても小説は難しいな〜、

ここまで読んでくれた人はどれくらいるんだろう、

大好きだよ(?????)

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