第73話

危険
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2018/03/13 17:46
《☆イニ☆side》



☆イニ☆
ね、もうそろそろやめときなって、
お酒の缶を持ったテオくんの腕を掴んでそう言う。



今日のテオくんは
いつもより呑んでいて少し心配になってしまった。
テオくん
大丈夫大丈夫、ほらじんたんも呑も?
テオくんにこう言われると
俺は高確率で断ることが出来ない。



テオくんよりお酒に弱くて
すぐ酔い回るけど頑張っちゃったり。



____プシュ、



そんな音とともに
今日もテオくんに釣られお酒を口にする。
☆イニ☆
べろべろじゃん、もうやめなよ、
テオくんにそう言っている俺だが
俺も俺で瞼がすごく重いし頭と呂律が回らない。



まだ辛うじて働いている頭に命令して
テーブルに散らかっている物を台所へ持っていく。
☆イニ☆
ほら、おやすみ〜しよ?
まるでテオくんを幼稚園児のように扱う俺。
テオくん
うん、おやすみのちゅーは?
俺それないと寝れないもん、とテオくんは
シラフの時には絶対に言わない台詞を吐いた。



それで寝てくれるなら、と
自分が早く寝たい一心で顔を近づける。



テオくんの肩に手を置いて、唇を重ねる直前、



テオくんに手首を掴まれた。



そしてそのまま押し倒される。
テオくん
やっぱ俺ちゅーだけじゃ寝れないや
そう言って俺の首筋をカリッと噛み
弱めの力でゆっくりと吸うテオくん。



テオくんの癖だ。



必ず最初にこの行為をする。



俺にする気がなくてもこれを1回でもされてしまえば
その気になってテオくんに従ってしまうのだ。



だからいつでも俺の首筋には
テオくんがつけた所有印があることになる。



今日のテオくんはいつもより舌遣いが上手くて
危うくそれだけで果ててしまいそうになって。
☆イニ☆
…テオく、も、やろ?
数分前までは思ってもいなかったことを
つるっと口にしてしまうぐらいには
テオくんという沼にハマってしまっている。



.



テオくん
…た、んた…じんたんっ、
曖昧に聞こえる声に目を覚ます。



その急ぎ気味の声に
寝坊でもしたのかと思って飛び起きた。
☆イニ☆
痛あっっ、
それと同時に痛む腰。



これは確実に昨日の後遺症だ。
テオくん
俺昨日の夜今日の動画の編集してた?!
…やはり呑みすぎると忘れてしまうらしい。



でもきっと微睡んだ意識の中でも
行為の後に俺に服を着せてくれるくらいには
優しいんだろう、テオくんも。



ただし、



テオくんの大量飲酒は本当に、



____危険だ。

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