第113話

モノクローム※Ω1
1,940
2018/09/24 08:05
※このお話はオメガーバースになっています。

※非現実的なお話です。

※実際の彼らとは設定が大きく異なります。

※中編(??)

※吉原ラメントという曲を脚色したようなお話です。

以上が地雷になっている方、リアリティを求める方はブラウザバックをオススメします。







《☆イニ☆side》







もう何年、此処に居るのだろうか。







捨てられてから、何年経ったのだろうか。







分からない。







分かりたく、ない。







別に不自由はない。







出される飯は並より高級な物だし、今日だって真新しい布に腕を通している。







まぁそれはどうせ、良い家畜を育てる為の餌、でしかないのだが。







強いて不自由を挙げるなら、暴力や乱暴、と言ったところだろうか。







俺だって人間だし、腐り切った奴とは違って痛みや苦しみを感じない程器用ではない。







良い事も、悪い事も。







それもこれも全部、性別の所為だ。







好きでこの性別に、

…Ωに、生まれた訳じゃ、ないのに。







雨だから、だろうか。







普段は考えない事を考えてしまう。







そんな無駄な思考にエネルギーを使っていては今日も体力が持つか分からない。







消し去ろうと首を振ると、来客を知らせる音が鳴る。







多分世話役だろう。







「お食事をお持ち致しました。」







感情の込もっていない、退屈そうな声。







返事をせずに居ても扉が開くのはいつもの事だ。







「此方お食事と今月分の明細です。」







言われて気づく。







もう、月末なのか。







世話役が退出し、一人残った部屋で明細に目を通す。







使い道のない俺の口座に振り込まれた額は、今月も相当の量だった。







何の為に金を貯めているんだろう。







別に、もう…







まただ、と明細をグシャグシャにして捨てる。







朝から立派な飯だ。







こんなに食べ切れる訳ないだろうが。







と、心の中で愚痴を零しつつ、味だけは確かなものに手をつける。







その横には2粒の錠剤。







やはり食べ切れなかった朝食を避け、それを手に取った。







これは避妊薬だ。







こんな仕事をしていればいつか孕むことは明確だが、それでは営業に支障が出るのだろう。







毎朝飲まされるそれを口に含んだ。







勿論、抑制剤は用意されない。







そんなもの飲んだら稼ぎが無くなるからだ。







「…っ、」







突然、ズクンと頭が痛む。







…そろそろ来てしまうようだ。







Ω特有の、発情期が。

プリ小説オーディオドラマ