《テオくんside》
何も言わず、ずっと見つめてくるじんたん。
そう言って差し出される手。
じんたんの目と俺の目が見つめ合う時
いつもこんなふうに
じんたんの手と俺の手が絡まり合う。
こうやって馬鹿みたいに笑いあって
急に意地も張り出して。
ごめんって、
と拗ねた顔をしたじんたんの頭を撫でる。
俺のこの一言から、じんたんとの日々が始まった。
そんな強がった言葉も
じんたんには全部お見通しで。
俺の前でしか見せない笑顔。
でもその裏側に
切ない顔したじんたんがいるの、知ってるよ。
そんな顔しないで。
じんたんの笑顔が、大好きだから。
だってじんたんの笑顔を見るたび
可愛いなって思っちゃったりするし
ああ俺、じんたんに恋してるんだなって。
普段している愛情表現だって
今日はどう伝えようかなって考えたり。
たまに喧嘩して
この先俺らはどうなっちゃうんだろ、とか。
いつも、じんたんのことを見てると
感情のコントロールが効かなくなって
胸がはちきれそうになる。
だけど、少しでも。
少しでもじんたんに手が届いてるんだから。
その手がもう離れないように。
いつまでも愛し、抱きしめるよ。
これがぼくのきもち / スカイピース
◎ teo part and 1hook Arrange by ぴぃち .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。