第11話

必要※Ω
2,655
2018/01/21 10:42
《じんたんside》



じ「…っ、はぁっ、」



3ヶ月に1回、" 発 情期 "が来る俺。



正真正銘のΩ。



そう、ここは



__オメガバースが存在する世界。



じ「っ、ふ、ぅっ、」



無駄だとわかっていながら
必死に落ち着こうと深呼吸をした。



全身の血管が熱く、脈打つのがわかる。



運命の番じゃないはずなのに
真っ先に頭に浮かぶのは、テオくん。



我慢しろ、と自分に念じる。



発 情抑制剤を飲むが効果は見られない。



いつもそうだ。



少しでも遅いと全然効かない。



静かになってくれない鼓動。



散らばる薬のゴミ。



薬は1日の服用容量を超えてしまった。



自然に目頭が熱くなって、目の前がぼやける。



じ「テオくんっ…、」



もう全部がおかしくなりそうなくらいで
我慢出来ずに、テオくんの部屋に飛び込んだ。



クローゼットを開けて服をかき集める。



全部ベッドに放り投げて、その中に潜り込んだ。



テオくんの匂いに包まれて
少しだけ、すーっと楽になった。



でも間に合わせのテオくんの匂いだけじゃ
耐性がついて、効果がなくなってくる。



気がつくと止められないほどの涙が溢れていた。



ポケットに入ったiPhoneを取り出して
テオくんに『ておくん』とだけLINEを送る。



じ「テオくんっ…はや、くっ、」

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