いつの間にか、また寝てしまったらしい。
目が覚めると白い天井に、
眩しい光が窓から差し込んでいる。
保健室で朝を迎えたのは初めてかもしれない
カーテンを開けると、
リカバリーガールの姿はない。
ベッドの下にある上履きを履き、まだ誰も居ない校舎を歩き、自分の部屋へ向かった。
*☼*―――――*☼*―――――
時計を見ると、まだ5時半
授業が始まるまで時間がある。
椅子に腰を掛け、窓の外を眺める。
桜もかなり散ってきてしまった。
夏は暑い
この前読んだ本に書いてあった。
蝉時雨
海水浴
かき氷
団扇
お祭り
どれも楽しそう。
早く夏を感じてみたい。
そうな事を考えているうちに、
また眠りについてしまった。
【君はこうなる運命】
【君は捨てられたんだ】
【可哀想に...】
【僕が可愛がってあげるね】
誰?またこの声
思い出したら...
不幸になる...
そんな..........
【僕の実験材........】
時計を見ると、7時を指していた。
変な夢...?
なんか夢見てた気はするけど...
覚えてないな...
ミッドナイト先生は、出口に向かう途中こちらを見てウィンクをした。
( 特別? )
椅子から立ち上がり、
お辞儀をして先生を見送った。
( なんか、ザワザワする... )
( 頭が...気持ち悪い。 )
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。