と、淡々と話す爆豪くん。
こんなに冷静な人だったんだ...(失礼)
''迷惑じゃない''
そう言ってくれた爆豪くんに驚いた。
ずっと嫌な顔をしていたように見えたから。
冗談だったとしても、そう言ってくれたのは私にとって凄く嬉しいことだった。
私は、人付き合いを始めてまだ2ヶ月
相手が何を考えてるかなて全部理解出来はずがない。
みんなは私より何百倍も人と接してきた。
まず私はそこから遅れを取り戻さないとな...
爆豪くん、そんな私を見透かしてフォローしてくれたのかな?
私が普通じゃないって事なのかな?
まぁ、普通じゃないかもだけど...
・
・
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気がつけば校舎の中を歩いていて、
もうすぐ保健室に着くところだ。
結局、最初から最後まで運んでもらってしまった。
爆豪くんは保健室の前まで来ると、
私をゆっくり下ろしてくれた。
爆豪くんの背中は、
暖かくて、広くて、優しかった。
こんな風に私に接してくれた人は、
初めてかもしれない。
少し名残惜しい気もする...なんて。
教室へ向かう爆豪くんにお礼を言うと、
小さな声だが声で返事をしてくれた。
それに、初めて名前で呼ばれた...?
突然、体全身の力が抜け
バタ....
私の記憶はここで途絶えた。
*☼*―――――*☼*――――
目を開くと、白い天井に消毒液の匂い。
リカバリーガールと相澤先生の話し声も聞こえた。
(毒...?)
ベッドの周りはカーテンで仕切られており、2人の姿は見えない。
そして私の右腕には包帯が巻いてあった。
そっか、刺されたんだ
それで爆豪くんに運んでもらって.....
どうなったんだろ__?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。