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【君の個性は使い方によってはすごく強くなる...】
【例えばこいつの個性】
【触れると物を溶かしてしまう、しょうもない個性の持ち主だ。】
【だけどね...君と合わせることでもっと強くなると思うんだ.....】
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【意外とすんなり完成したな...】
【もっと楽しめると思ったのに...】
【これだけじゃつまらないと思わないか?】
『....』
【そうだな...物体じゃないもの....】
【ああ、君の目の前にある空気とか】
『...』
【空気を操る個性か...よし試してみよう】
『( また私のせいで...人が.... )』
『( 早く終わって.... )』
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( もうひと遊び...? )
頭の中に嫌な考えが浮かぶ。
止めようとした時、もう遅かった。
彼女は出口付近にいた
麗日さん達を目掛けて飛んでいった。
その手には槍
1人は殺すつもり....?
水仙は、麗日さんを指さした。
記憶が戻り
私が持っている個性は自由に操れる
操れるのは物体だけじゃない
お願い....間に合って....!
麗日さんの目の前に空気の壁を作り、
ギリギリのところで槍を止めた。
久しぶりに空気を操る個性を使った
( 私の個性じゃないし...
使いたくなかったんだけどなぁ... )
と、気が緩んでしまい着地を忘れ
地面にたたきつけられた。
《2回目》
扉が空いてる...
飯田くんが助けを呼びに行ったんだ。
黒いモヤも居ない
もうすぐ....終わる?
そう声をかけてくる彼女を私は睨みつける。
あ...個性を使ったことでバレちゃった。
そこを考えてなかった...!
そもそも記憶喪失のことを知らない麗日さん達からしたら意味わかんないよね。
踏んだり蹴ったりだなぁ。
なら、ここは素直に.....
少しの時間稼ぎになればいい。
気づかれないように、
彼女の周りに空気の壁を作る。
水仙をあの人の元に返しちゃいけない。
捕まえないと....。
大丈夫、全部囲ったはず....!!
その時のあなたちゃんの笑顔は、
目が笑っていなくて凄い悲しそうだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。