『敵!?』とみんなが混乱する中、
轟くんが冷静に分析をする。
この日、この時間、この場所、を狙ってきたんだ。
ここに居るプロヒーローは、相澤先生と13号先生だけ...戦うとしたら...
相澤先生がゴーグルを着用し、階段の上から敵に向かってつっこんでいった。
...確かに力は通用する。
けど、長時間...戦うのは...
階段の上から相澤先生を見ていた緑谷くんと私に、飯田くんが声を掛ける。
今私が加わっても足手まとい...
避難するのが最善...
出口の方に足を向けた途端、
さっきの黒い影が前に現れた。
瞬間移動....
いや、この大群を引連れてきたから...
....ワープ?
目の前に現れた敵に、みんなの足が止まる。
( ワープなら攻撃は無い... )
あの記者人達...オールマイトが雄英に留まっていることを報道してた。
オールマイトを嫌う人には絶好のチャンス
それで今日殺しにきた...って所かな。
敵を前にして、私は不思議と冷静だった。
誰かが、助けてくれると甘えているから?
今日来たってことは、
作戦が実行出来るってこと。
危機感を持たなきゃ。
突然、黒い影が私たちを包み込む。
・
・
・
突然空中に放り出され私。
重力には勝てず、
思いっきり地面に叩きつけられた。
いつ襲われるか分からない。
私はフラつきながらも立ち上がり、
腰をおさえる。
( ここは...広場かな )
声のする方に振り返ると、
さっき目が合った細めの女性が。
目の下には隈
目は充血
紫色の唇
所々長さの違う髪
ピタッとしたスーツ
凄く気味の悪い格好
一歩一歩距離を縮めてくる。
目の前まで近づいてきた。
あまりの圧力に私は1歩も動けず、
ただただ恐怖を感じていた。
彼女は、私の頬に手の甲を擦り付ける。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!