1日目 無事終了
私の席は、八百万さんの隣。
1人だけ外れている
私は、誰もいない教室の中で
机に伏せて考える。
『お前の個性、「触れたものを変形させる」だけじゃないだろ』
なんで、なんで、分かったんだろう...
まだ確証はないけど、
なんか足りない感じがした。
どうしよう...
ここ1ヶ月、謎の男の声は聞こえない
頭で誰かが話し出すことも無い
手掛かりがない
私は誰なんだろう...。
また振り出しだ
ガラガラガラ
と、ドアが開く音
私は顔を上げ、ドアの方に目をやる。
爆破の人だ
名前...なんだっけ...
爆破の人は私の事を睨んだ後に、
自分の席に向かう。
とても話しかけられる雰囲気では無い。
ここは興味無さげに、外を見よう。
あー、桜きれー。(×3)
まさかの話しかけられるパターン...
鼻で笑われた。
変な事言ったかな...?
動かしていた手を止める(爆豪くん)。
振り向いて、目を見て言う。
凄い圧力に、
私は黙ることしか出来なかった。
カバンを持って、ドアへ向かう(爆豪くん)。
少しの間の後、
またドアの閉まる音が聞こえた。
*☼*―――――*☼*―――――
爆破の人が教室を出たあと、
荷物をまとめて職員室に向かった。
爆破の人の事を知る為
相澤先生はパソコンに向かいながら
教えてくれた。
さっきの事もあって相澤先生とは顔を合わせたくなかったが、担任だし。
嫌でも顔を合わせることになる。
だから、今のうちに...
『ん』と無愛想に返事をされる。
大丈夫、深呼吸して。
パソコンをいじる手が止まった。
相澤先生の言葉を最後まで聞かずに
飛び出してきてしまった。
「思い出す」なんて勢いで言っちゃったけど...
どうやって思い出そう?
先生に言った以上実現しないと...
外を見ると、夕日に照らされ桜が散る。
窓から入ってきた桜の花びらが手の上に。
その手は傷だらけだ。
自分が誰なのか、まずそれを知ること。
・
・
・
真っ暗な部屋に、パソコンの画面が強く光る
一人の男が不気味に笑う
彼は、やっと見つけたのだ。
自分の実験材料を__________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。